「登録支援機関なしで特定技能外国人を雇用できる?」
「自社支援にはどのような要件を満たせばいい?」
このような疑問を抱えていませんか?
特定技能外国人の雇用の際には、登録支援機関に委託して外国人労働者の就労サポートをおこなってもらう方法のほかに、国が定める要件を満たせば自社支援もできます。
本記事では、自社支援の方法や必要書類を解説します。登録支援機関なしで進めるときの注意点も解説しているので、内製化を検討している事業者の方はぜひ参考にしてみてください。
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特定技能外国人は登録支援機関の委託なしでも受け入れ可能
特定技能1号外国人の受入れは、一定の要件を満たせば登録支援機関への委託なしで実施できます。
自社で対応する場合には、以下のようなメリットがあります。
- 柔軟な受入れ体制の構築
- 委託費用にかかるコストの削減
- 外国人労働者との直接的な信頼関係の構築
要件を満たし受入れ体制が整っている企業は、自社での直接受入れを検討しましょう。
ただし、自社支援では社内の業務の負担が大きくなります。具体的な内容は後述する特定技能外国人の支援を登録支援機関なしで進めるときの注意点で解説しているので、詳しく知りたい方はこのまま読み進めてみてください。
以下の記事では、登録支援機関の役割や支援内容について解説しています。委託するメリットデメリットも紹介しているので、特定技能1号外国人の支援方法でお悩みの方は参考にしてみてください。
【登録支援機関なし】特定技能外国人の自社支援における要件
特定技能1号の外国人を自社支援する際には、出入国在留管理庁の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」で定められた要件を満たす必要があります。
具体的な要件は以下の6つです。
- 過去5年以内に2年以上、外国人労働者の相談対応経験がある者がいるか
- 中立的な立場で支援できるか
- 定期的な面談ができるか
- 支援状況に関する文書を作成・管理できるか
- 5年以内に欠格事由に該当していないか
- 十分に理解できる言語による支援体制があるか
※この用件のみ外部登録支援機関や通訳会社等に委託可能
順番に見ていきましょう。
過去5年以内に2年以上、外国人労働者の相談対応経験がある者がいるか
特定技能外国人を受け入れるには、事業所がいくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、以下のいずれかに該当することが求められます。
- 過去2年以内に、中長期在留者(外国人労働者)を雇用した実績があり、支援責任者および支援担当者を選出している場合
- 過去2年以内に、外国人労働者の生活相談に関わった支援責任者および支援担当者を選出している場合
- 上記に該当する者と同程度に外国人支援をおこなえると、出入国在留管理庁長官が認める場合
参考:出入国在留管理庁|特定技能外国人受入れに関する運用要領
支援責任者は支援担当者を監督する役割ですが、支援担当者の兼任も可能です。自社内で特定技能外国人の受け入れを2年以上している場合、登録支援機関だけでなく、日常的に社内の人事担当者が生活全般の相談対応をしていることがあります。
その場合はその方が支援責任者や支援担当者になることも可能です。
中立的な立場で支援できるか
自社で1号特定技能外国人支援計画をおこなうにあたっては、支援責任者や支援担当者が外国人を監督する立場になく、トラブルが生じた場合にも中立な立場で支援を実施できるのが条件です。
中立な立場で支援できる責任者・担当者の要件は以下のとおりです。
- 1号特定技能外国人に対して指揮命令や指示する立場ではない
- 代表取締役や特定技能外国人が所属する部署の長ではない
中立的な実施をおこなえる立場かどうかは、上記の要件のほかに事業形態や支援責任者および支援担当者と、特定技能外国人との関係性を考慮し判断されます。
定期的な面談ができるか
外国人との面談はもちろん、支援責任者や支援担当者は、外国人を監督・指導する立場にある自社の職員とも定期的に面談をおこなう必要があります。
定期的な面談は、3ヵ月に1回以上の頻度で直接会って話すのが前提です。
支援状況に関する文書を作成・管理できるか
特定技能外国人を支援している状況についての文書を作成し、雇用期間終了から1年以上事業所で保管しなくてはいけません。
具体的に、支援の状況に関する文書には以下のような内容が記載されています。
- 支援をおこなう事業所について(名称、住所、職員数、支援実績など)
- 支援担当者・支援責任者の履歴書
- 対応可能な言語と、相談担当者について
- 支援委託契約書
- 支援対象となる外国人の身分、支援契約書
- 義務的支援の実施に関する事項
支援状況に関する文書は、書面のほかCDーROMやパソコン内のファイルなどの電磁的記録での保管も認められています。
5年以内に欠格事由に該当していないか
自社支援をしようとしている事業所は、外国人との雇用契約を結ぶ5年以内において欠格事由に該当してはいけません。欠格事由の要件の一例は以下のとおりです。
- 出入国法令違反
- 労働法令違反
- 支援を怠った履歴
- 技能実習の認定取消を受けている
十分に理解できる言語による支援体制があるか
特定技能1号の支援を内製化するにあたっては、日常生活や社会生活の支援内容を外国人が十分に理解できる言語でおこなえる体制が必要です。
「十分に理解できる言語」は、特定技能外国人の母国語には限定されておらず、英語やほかの言語など、外国人労働者が内容を理解できる言語であれば問題ありません。
相談支援に関しても「十分に理解できる言語」での実施が求められますが、通訳を雇う必要はなく、必要なときに通訳者を置けば条件を満たせます。
日本語を話せない外国人労働者については、以下の記事で解説しています。受け入れた外国人との言葉の壁にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
特定技能外国人を自社で支援する方法【必要書類も紹介】
ここでは特定技能外国人を自社で支援する方法を、流れに沿って解説します。
- 支援計画書を作成する
- 雇用契約を結ぶ
- 特定技能の在留資格を申請する
- 必要書類を提出する
順番に見ていきましょう。
ステップ1.支援計画書を作成する
特定技能外国人を社員登録する事業所は、特定技能1号に関する在留資格認定証明書交付申請にあたり、支援計画書を作成します。
支援計画に記載されるのは「職業生活」「日常生活」「社会生活」に必要な、以下の10項目の実施内容です。
- 事前のガイダンス
- 出入国するときの送迎
- 住居確保・生活に必要な契約サポート
- 社会生活のオリエンテーション
- 公的手続きへの同行
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職活動の支援
- 定期的な面談・行政への通報
これら10項目の支援内容のうち、雇用前に事前ガイダンスを実施することで、外国人材の安定した生活基盤と就労環境について理解を得ます。
ステップ2.雇用契約を結ぶ
労働関係法令を遵守したうえで、特定技能雇用契約に関する基準を満たしていれば雇用契約が可能です。
特定技能雇用契約は、仕事内容や報酬などの雇用関係についての項目のほか、契約期間満了後の出国確保や在留を適正におこなうために必要な取り決めがされています。
また、外国人であることを理由に、報酬額や教育訓練の実施内容、福利厚生などにおいて差別的待遇をしてはいけません。
なお、特定技能1号の外国人を見つけるには、人材紹介会社や求人サイトへの募集掲載、ハローワークを経由した採用など複数の方法があります。ハローワーク経由の採用については以下の記事で解説しているので、理解を深めたい方は参考にしてみてください。
ステップ3.特定技能の在留資格を申請する
特定技能外国人が国内に在留中の場合は、在留資格変更許可申請をおこない「在留資格変更許可」を受ける必要があります。
外国人本人による申請が原則ですが、申請取次行政書士に委託すれば在留資格の書類作成ならびに申請手続きを専門的にサポートしてもらえます。
申請取次行政書士の業務内容については以下の記事で解説しているので、在留資格の申請手続きを依頼したいとお考えの方はあわせてご覧ください。
以下の記事では、在留資格の変更方法について解説しています。技能実習から特定技能に資格を変更できる条件も紹介しているので、在留資格を変更する流れや注意点を知りたい方は参考にしてみてください。
ステップ4.必要書類を提出する
特定技能外国人を受け入れるにあたって、特定技能雇用契約や受け入れの状況に関する書類提出が義務づけられています。
外国人の受け入れ後には、登録内容に変更があった場合の「随時届出」や、四半期ごとに特定技能外国人の受入れ状況を報告する「定期届出」といった書類業務が発生します。
参考:出入国在留管理庁|特定技能関係の申請・届出様式一覧
特定技能外国人の支援を登録支援機関から自社に切り替える方法
特定技能外国人をの支援業務をすでに登録支援機関に委託している場合でも、自社支援への切り替えは可能です。
切り替える際の主な手続きは以下のとおりです。
手続き | 必要書類 |
---|---|
1.自社支援への変更にあたって届け出る | 支援計画の変更に係る届出書(参考様式第3-2号) |
2.新しい支援計画書の作成をする | 新しい支援計画書(参考様式第1ー17) |
3.登録支援機関との契約終了の報告をする | 特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出(参考様式3ー3ー2) |
4.事業所に関する書類を提出する | 特定技能所属機関概要書(参考様式第1ー11ー1号) |
5.支援責任者・支援担当者の履歴書等を提出する | 支援責任者の就任承諾書及び誓約書(参考様式第2-3号)支援責任者の履歴書(参考様式第2-4号)支援担当者の就任承諾書及び誓約書(参考様式第2-5号)支援担当者の履歴書(参考様式第2-6号) |
出典:出入国在留管理庁|「特定技能関係の申請・届出様式一覧」
書類は地方出入国在留管理局に提出します。
窓口持参、郵送、オンラインシステムでの手続きが可能です。
特定技能外国人の支援を登録支援機関なしで進めるときの注意点
登録支援機関なしで特定技能外国人支援の内製化を進めるには、以下の3つの注意点があります。
- 専門的知識を勉強する必要がある
- 支援体制を整えるのに時間と労力がかかる
- 支援責任者・支援担当者がいなければ人材確保をおこなう
順番に解説していきます。
専門的知識を勉強する必要がある
特定技能外国人の自社支援には、幅広い専門知識の習得が欠かせません。
支援責任者・支援担当者に必要な知識は以下の分野におよびます。
- 日本での生活支援に必要な情報の理解
- 雇用契約や労働基準法に関する基礎知識
- 在留資格の要件や更新手続きに関する知識
正しい知識がないまま自社支援を始めると、法律違反に触れるリスクが高まり、罰則・罰金の対象となる可能性があります。自社支援を進めるなら、担当者の育成と知識の習得に十分な時間を確保しましょう。
支援体制を整えるのに時間と労力がかかる
自社支援の体制を整えるのに、時間と労力がかかってしまいます。
特定技能1号の外国人を雇用する場合、支援計画書の作成や義務的支援を含むあらゆる業務を自社でおこなわなければならないためです。
慣れないうちは時間と労力がかかるため、本来の業務に差し支えないようにしっかりとリソースを確保しておく必要があります。
支援責任者・支援担当者がいなければ人材確保をおこなう
特定技能外国人を自社支援するための要件に「支援責任者・支援担当者の選任」が定められています。
もし自社に適任者がいなければ、新たに教育するか採用するかの選択が必要です。
トレーニングする人材のリソースや、新規採用のためのコストがかかってしまう点は覚えておきましょう。
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特定技能外国人と登録支援機関に関するよくある質問
最後に、特定技能外国人と登録支援機関に関するよくある質問と回答をまとめます。
- 特定技能2号外国人を雇用する場合は登録支援機関の委託は不要ですか?
-
特定技能2号外国人への支援は義務づけられていません。そのため、登録支援機関への委託は不要となります。
- 特定技能外国人の支援における登録支援機関の委託費用はいくらですか?
-
登録支援機関のシステムは一律ではなく、それぞれに価格が設定されています。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた、出入国在留管理庁の調査によれば、登録支援機関への特定技能外国人1人当たりにおける月々の支援委託料は以下のとおりです。
25,000円~30,000円以下 20.3% 20,000円~25,000円以下 26.2% 15,000円~20,000円以下 25.3% 出典:三菱UFLリサーチ&コンサルティング株式会社|外国人介護人材の介護福祉士取得に向けた 調査研究事業 【報告書】
登録機関に委託する場合には、価格と支援内容が見合うかの見極めが必要です。
- 登録支援機関に一部委託は可能ですか?
-
自社支援に切り替えた事業所が、登録支援機関に一部委託するのは可能です。
1号特定技能外国人の支援計画内容に変更があった際には、出入国在留管理庁に随時届出の義務があります。
委託の有無の変更や、新たな登録支援機関との間で支援委託契約を締結した場合は「1号特定技能外国人支援計画書」(参考様式第1ー17号)の提出により申請できます。
参考:出入国在留管理庁|特定技能関係の申請・届出様式一覧
特定技能外国人を登録支援機関なしで雇用するなら計画的に内製化の準備を進めよう
特定技能外国人を登録支援機関なしで自社支援に切り替えるのは、要件さえ満たせば可能です。
自社で社員登録する方法は以下のとおりです。
- 支援計画書を作成する
- 雇用契約を結ぶ
- 特定技能の在留資格を申請する
- 必要書類を提出する
しかし、自社支援には法的手続きや義務的支援に関する専門的知識の習得や、支援責任者・担当者の人的リソースの確保といった時間と労力の負担もかかります。
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監修者プロフィール
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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