「外国人ドライバーに必要な在留資格を知りたい」
「実際に外国人ドライバーを雇用するときの手順は?」
このような疑問を抱えていませんか?
外国人ドライバーは、特定技能や特別活動46号、「就労制限なし」の在留資格が必要です。
最近注目されているのは、2024年3月に閣議決定された特定技能の在留資格です。タクシー・バス・トラックの運転手を確保でき、深刻な人材不足の解決策として期待されています。
本記事では、外国人ドライバーに必要な在留資格について解説します。雇用する流れや2024年問題も紹介しているので、外国人ドライバーの雇用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
外国人ドライバーが必要な就労ビザの種類と取得条件

さっそく、外国人ドライバーが必要な在留資格を見ていきましょう。
- 特定技能1号
- 特定活動
- 「就労制限なし」の在留資格
資格の特徴や取得条件をそれぞれ解説します。
特定技能1号
特定技能1号は、2024年3月の閣議決定において新たに追加された在留資格です。
特定技能に自動車運送業が追加された背景には「2024年問題」の影響があります。

2024年問題とは、働き方改革による労働時間規制強化に伴う人手不足や物流の問題です。
外国人ドライバーとして採用条件を満たすためには、「自動車運送業分野」特定技能1号評価試験と日本語能力に合格しなければなりません。
以下の記事では、特定技能の外国人ドライバーについて解説しています。バス・タクシー・トラックごとの取得要件も詳しく解説しているので、詳細が気になる方はチェックしてみてください。


なお「特定技能制度についてもっと理解を深めたい!」という方に向けて特定技能制度まるわかりガイドの資料を無料配布しております。1分でダウンロードできるので、下記のボタンをクリックのうえ、どうぞお受け取りください。
参考:国土交通省|特定技能制度における自動車運送業分野の制度概要
参考:法務省|自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針
特定活動46号
特定活動とは、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を認める在留資格です。
特定活動46号は、本邦大学等卒業者で高い日本語能力をもつ方が対象です。申請時には「日本語能力試験N1」または「BJTビジネス日本語能力テスト480点以上」の成績証明書の提出が求められます。
特定活動46号で雇用できるのは、タクシーやバスの運転手です。



どちらも接客業務を伴うため、日本語能力が重視されるからです。
なお、運送業務が主となるトラックの運転手は原則として対象外となります。
以下の記事では、特定活動の種類や雇用する際のポイントをよりくわしく解説しています。特定活動の理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。


「就労制限なし」の在留資格
「就労制限なし」である身分系の在留資格を保有する外国人は、日本人と同じ仕事に就いて働けるため、ドライバーとして就労可能です。
身分系の在留資格は、以下の4つです。
- 永住者
- 日本人の配偶者
- 永住者の配偶者
- 定住者
これらの在留資格保持者は、職種や雇用形態に制限なく就労ができます。
参考:出入国在留管理庁:入管法別表第一の上欄の在留資格(活動資格)
外国人ドライバーの就労ビザ(在留資格)取得方法|職種別ガイド


外国人ドライバーを雇用するには在留資格を取得する必要があります。
今回は最近注目が集まっている「特定技能」の在留資格に着目し、それぞれの職種別に在留資格取得に必要な要件を以下の表にまとめました。
職種 | 要件 | 試験内容 | 日本語能力水準 |
---|---|---|---|
トラック | ・「自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)」の合格 ・「第一種運転免許」の取得 | 貨物自動車運送事業における運行前後の点検、安全な運行、乗務記録の作成や荷崩れを起こさない貨物の積付け等ができるレベルかを確認する | ・日本語能力試験 N4以上もしくは ・日本語教育の参照枠のA2相当以上の水準 |
バス | ・「自動車運送業分野特定技能1号評価試験(バス)」の合格 ・「第二種運転免許」の取得 | 一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業における運行前後の点検、安全な運行、乗務記録の作成や乗客対応等ができるレベルかを確認 | ・日本語能力試験 N3以上もしくは ・日本語教育の参照枠のB1相当以上の水準 |
タクシー | ・「自動車運送業分野特定技能1号評価試験(タクシー)」の合格 ・「第二種運転免許」の取得 | 一般乗用旅客自動車運送事業における運行前後の点検、安全な運行、乗務記録の作成や乗客対応等ができるレベルかを確認 | ・日本語能力試験 N3以上もしくは ・日本語教育の参照枠のB1相当以上の水準 |
参考:法務省|自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針
参考:J.TEST実用日本語検定|日本語教育の参照枠
外国人ドライバーを迎えるためには、各職種に応じた要件や試験対策が必要です。



事前に要件や試験内容を把握し、スムーズに外国人ドライバーを採用できるように準備していきましょう。
特定技能1号外国人ドライバーの採用と就労ビザ申請の流れ5ステップ


ここからは、特定技能1号の外国人ドライバーを雇用するときの流れを解説します。
- 人材の募集をかける
- 面接を実施する
- 雇用契約を締結する
- 免許の切り替えや日本語研修を進めていく
- 業務を開始する
順番に見ていきましょう。
1.人材の募集をかける
まずは、人材の募集をかけます。国内にいる外国人を募集するときは、以下のような方法があります。
- 人材紹介会社を活用する
- ハローワークを利用する
- 求人媒体で募集する
国外にいる外国人を募集する際は、自社で採用サイトを作成して直接募集をかけたり、人材紹介会社に依頼して現地での採用活動を展開したりする方法があります。
とくに、特定技能1号の雇用が初めての場合は、登録支援機関の認定を受けた人材紹介会社の活用を検討してみてください。登録支援機関とは、受け入れ企業の委託を受けて特定技能1号の「支援計画書の作成」「義務的支援の実施」をおこなう機関です。
外国人の受け入れに時間や労力を十分に割けない企業の方は、登録支援機関と人材紹介会社の役割が一体化した会社の総合的なサポートを受けてみると良いでしょう。
2.面接を実施する
募集した求人に応募があれば、面接を実施します。
国外にいる外国人を日本に呼び寄せるのは、雇用契約を結んで在留資格を取得し、入国ビザの手続きを終えてからです。そのため、海外にいる外国人と面談する際は、オンラインでの実施が一般的です。
面接をおこなうときは、以下のポイントを必ず確認するようにしてください。
- 日本語能力試験に合格している
- 自動車運送業分野の特定技能評価試験の合格証があるか確認する
- 運転免許の種類を確認する
- 在留資格の期間が過ぎていないか確認する
日本語能力試験と特定技能評価試験に合格している外国人でなければ、特定技能のドライバーとして雇えません。
自動車運送業の特定技能試験の合格には、日本の運転免許又は外国の運転免許の取得が必要になりますが、外国の運転免許のみの場合、就業後すぐには運行業務に従事することができないことには注意が必要です。
また、在留資格の期間が過ぎてる外国人を雇用すればオーバーステイとなり、雇用した企業も法的責任を問われる可能性があります。
オーバーステイの詳細やリスクは以下の記事で詳しく解説しているので、安全に外国人を雇用したい方は、記事を参考にオーバーステイの基礎知識を深めてみてください。


3.雇用契約を締結する
面接をおこない、雇用したい人材が見つかれば雇用契約を締結します。



雇用契約書は「特定技能雇用契約及び特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」の第一条に基づいて作成します。
雇用契約書に記載する内容の一例は、以下のとおりです。
- 業務内容
- 賃金や支払い方法
- 勤務時間
- 福利厚生
- 契約解除の取り決め
雇用契約書は、外国人が理解できるように英語や母国語などを併記し、十分に理解できるように作成する必要があります。
先述のとおり、国外にいる外国人と雇用契約を締結した場合は、そこから在留資格を取得して入国ビザの申請・発給を済ませます。取得する在留資格は、日本の運転免許に切り替えるための期間を考慮した「特定活動」です。
4.免許の切り替えや日本語研修を進めていく
国内にいる外国人も外国の免許しか保有していない場合は、特定活動の在留資格を取得し、その間に日本の免許へ切り替える必要があります。
特定活動の期間は、トラックの場合は6ヵ月間、バス・タクシーの場合は1年間と設定されています。どちらも在留期間の更新ができないので、計画的に免許切り替えの準備を進めていかなくてはなりません。
特定技能の在留資格は、日本の運転免許を取得できた時点で申請が可能となります。また単独で業務ができるようになるまでに、初任運転者講習と日本語研修の完了が必須です。



研修内容では、日本で運転するうえで必要な交通マナーや危険物運搬時の注意点などを学びます。
5.業務を開始する
免許切り替えや日本語研修が完了すれば、業務開始です。
外国人を雇用したら、企業側が必ずハローワークに「外国人雇用状況届出」を提出しなければなりません。届出の提出を怠ると30万円以下の罰金が科される可能性があるため、忘れずに提出しましょう。
外国人雇用状況届出の目的や記載内容については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。


また、「外国人を雇用するときの手順を、さらに理解したい!」という方に向けて外国人雇用スタートガイドを無料配布しています。すぐにダウンロードできますので、どうぞお受け取りください。


この資料でわかること
- 外国人採用の意義
- 外国人雇用のメリット
- 外国人採用スタートの5ステップ
- よくある課題と解決策
外国人ドライバーの就労ビザが「2024年問題」に与える影響


2024年3月に追加された自動車運送業における特定技能は「2024年問題」の課題解決に大きな影響を与えたと考えられます。



そもそも「2024年問題」とは、働き方改革によりドライバーの時間外労働時間に年間960時間の上限が規制され、実質的な労働時間が短くなることで生じる人材不足の問題です。
出入国在留管理庁の「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」によると、運送業界で2024年問題もあったことから、5年後の2029年には28.8万人ほど人手不足になるという見通しです。
自動車運送業における特定技能の追加は「2024年問題」の解決を視野に入れたものです。特定技能により、令和6年度からの5年間の受け入れ見込み数は、最大24,500人ほどの人材を見込んでいます。
特定技能における外国人ドライバーの存在は、運送業界における深刻な人手不足の緩和が期待されるでしょう。
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外国人ドライバーの就労ビザに関するよくある質問


最後に、外国人ドライバーの在留資格に関するよくある質問と回答をまとめます。
外国人ドライバーを雇用するときに会社は何を準備する?
外国人ドライバーを雇用するときには、企業側は各在留資格の受け入れ要件を満たしたり、雇用関係の書類やマニュアルを整備したりするなどの準備が必要です。
たとえば、特定技能の外国人ドライバーを採用したい場合、企業側は以下の要件を満たさなくてはなりません。
- 道路運送法に規定する自動車運送事業(第二種貨物利用運送事業を含む)を経営していること
- 自動車運送業分野特定技能協議会の構成員となること
- 「運転者職場環境良好度認証制度」に基づく認証を受けていること、または全日本トラック協会による「Gマーク制度」に基づく認定を受けた安全性優良事業所を有していること
参考:国土交通省|特定技能Q&A



要件を満たすための準備には一定の時間が必要となるため、早めの対応を心がけましょう。
外国人のトラック運転手は就労ビザが必要ですか?
外国人のトラック運転手は、以下の在留資格が必要です。
- 特定技能1号
- 永住者
- 日本人の配偶者
- 永住者の配偶者
- 定住者
これらの在留資格を取得していれば、日本でトラック運転手として就労可能です。
外国人ドライバーに必要な就労ビザを理解して雇用を検討しよう


外国人ドライバーになるための在留資格は複数あります。とくに特定技能は「2024年問題」の解決を背景に、2024年3月に新たに追加された在留資格で今注目を集めています。
特定技能の外国人ドライバーの受け入れは、運送業界の人手不足を緩和するために有効な対策となるでしょう。本記事を参考に、自社で採用したい在留資格の外国人を検討してみてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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