介護分野で働くスリランカ人の就労状況|在留資格や雇用するメリットも紹介

介護分野で働くスリランカ人の就労状況|在留資格や雇用するメリットも紹介

「スリランカ人を介護職に雇用したいけど、うまく適応するのか不安…」
「受け入れた場合のメリットや注意点があれば知りたい」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

スリランカ人は、真面目で勤勉な一面があり、目上の方を敬う習慣があります。そのため、日本の介護について真剣に学び、高齢の利用者に対して丁寧に接する方が多いです。

本記事では、介護分野で働くスリランカ人の就労状況や必要な在留資格について詳しく解説します。スリランカ人を雇用した場合のメリットや注意点も紹介するので、参考にしてみてください。

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目次

介護分野で働くスリランカ人の就労状況

汎用

のちほど詳しく解説しますが、スリランカ人が介護職で働ける在留資格(日本に滞在し活動することが認められた資格)は「技能実習」「特定技能」「介護」の3つです。※永住者や日本人配偶者等の一部在留資格を除く

その中で「特定技能」の在留資格を持つスリランカ人の就労状況データが確認できました。

以下は厚生労働省の資料に掲載されている、介護の特定技能外国人の国籍を示した表です。※国名をクリックすると関連記事にジャンプします

国籍人数
インドネシア12,242人
ミャンマー11,717人
ベトナム8,910人
フィリピン4,538人
ネパール3,602人
中国1,103人
スリランカ638人

出典:厚生労働省|外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について
※令和6年12月末時点

介護現場で働くスリランカの特定技能外国人の数は638人です。他国に比べると少ない人数ですが、スリランカ人の在留外国人数は増加傾向にあるため、介護分野でもより多くの就労が今後期待されます。

スリランカ人が介護職で働ける在留資格

汎用

スリランカ人が日本の介護現場で働くために必要な在留資格は以下の3つです。

  • 在留資格「介護」
  • 技能実習
  • 特定技能1号

詳しく解説していきます。

介護

「介護」は、介護分野における専門的・技術的分野の外国人の受入れを目的とした在留資格です。介護福祉士の国家試験に合格することが前提となっています。

介護福祉士の資格を取得するには、以下2つのルートがあります。

ルート内容
養成施設ルート・留学生として入国
・介護福祉士の養成施設で2年以上学習
実務経験ルート・技能実習生や特定技能外国人として入国
・介護施設等で3年以上就労・研修

それぞれのルートで指定期間の教育または就労・研修を受けたのち、介護福祉士の国家試験を受験します。

猪口 裕介

試験に合格できれば、在留資格「介護」の申請が可能です。

技能実習

「技能実習」は、日本の技術を外国人の母国に移転し、国際貢献を目的とした在留資格です。

日本の介護施設等で最大5年間、実際に働きながら、介護の技術や知識を習得できます。

技能習得が主な目的のため、在留期間が満了になれば、原則帰国となります。

日本に継続して滞在したい場合、特定技能1号の在留資格を取得して在留を継続し、特定技能で在留中に介護福祉士の国家試験を受けて、在留資格「介護」に変更する必要があります。※介護施設等で3年以上の実務経験が必要

なお、2025年には法改正があり、一定の条件を満たせば訪問介護に従事することが認められました。

特定技能

「特定技能」は、人材の確保が難しい産業分野において人手不足に対応するための在留資格です。

介護技能評価試験・日本語能力試験の合格者が対象なので、一定の専門性・日本語レベルを持つ外国人を雇用できます。

特定技能1号の場合、在留期間は通算5年です。

在留期間満了後、継続して介護職で働くためには介護福祉士の国家試験を受けて、在留資格「介護」に変更することで日本での長期就労が実現できます。※介護施設等で3年以上の実務経験が必要

技能実習同様、2025年の法改正により特定技能も一定の条件を満たせば訪問介護に従事可能です。

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スリランカ人を介護職に雇用するメリット

汎用

ここでは、スリランカ人を介護職に雇用する3つのメリットを紹介します。

  • 勤勉で真面目な人が多い
  • 教育水準が高く学習能力に優れている
  • 目上の方を敬う習慣がある

1つずつ見ていきましょう。

真面目な人が多い

スリランカ人は真面目な人が多いです。

スリランカ人が日本に来て働く主な理由は、賃金が高い日本への出稼ぎと母国の経済危機による生活の安定です。

そのため、母国にいる家族への仕送りや将来への貯蓄に向けて、真面目に仕事します。

以下の記事では、スリランカ人が日本に来て働く理由について詳しく解説しています。理解を深めたい方は参考にしてみてください。

教育水準が高く学習能力に優れている

スリランカは教育制度が整っています。もともと9年間だった義務教育は、2016年の法改正により11年間に延長されました。

初等教育段階から前期中等教育段階への進学率は約98%と非常に高い水準です。

また、初等教育から高等教育までの教育費は無償化されており、教育を受ける機会が保障されています。

猪口 裕介

学習能力に優れている人材を確保できれば、日本語や介護に関する知識の習得もスムーズに進みやすいです。

参考:独立行政法人大学改革支援・学位授与機構|高等教育・質保証システムの概要スリランカ

目上の方を敬う習慣がある

スリランカ人は、文化的な背景から上下関係を大切にします。

スリランカでは、祖父・祖母に敬意を置き、目上の方を敬う環境の中で育ってきました。

上下関係に対する価値観は、日本の仕事観と親和性があるほか、高齢者を敬う気持ちを自然に表現できるため、スリランカ人は介護職に適した資質を持っているといえます。

以下の記事では、外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットについて解説しています。雇用の判断をするうえで役立つ情報なので、あわせてご覧ください。

スリランカ人を介護職で雇用する際の注意点

汎用

スリランカ人を介護職で雇用する際の注意点は主に以下の3つです。

  • 介護知識や技術の習得には個人差がある
  • 言語や価値観の違いでトラブルが起こるケースもある
  • 宗教・文化への配慮が必要な場合がある

順番に見ていきましょう。

介護の知識・技術の習得には個人差がある

教育体制が整っている環境で過ごしてきたスリランカ人は、学習能力の高い人が多いです。しかし、介護の知識・技術の習得には個人差があります。

日本とスリランカでは介護の文化や手法が違うほか、言語の壁も存在します。慣れない土地・介護の現場環境で、成長に時間がかかるケースは珍しくありません。

猪口 裕介

個人差があることを理解し、一人ひとりの学習ペースに合わせた指導を進めましょう。

なお、なかには日本語がうまく話せないスリランカ人もいます。以下の記事では、日本語が話せない外国人労働者との接し方を解説しているので、コミュニケーション術を学ぶ際の参考にしてみてください。

言語や価値観の違いでトラブルが起こるケースもある

言語や価値観の違いで介護スタッフや利用者とトラブルが起こるケースもあります。

例えば、言語の違いにより指導内容がうまく伝わっておらず、仕事でミスにつながるケースです。この場合、わかりやすい日本語の使用や母国語でマニュアルを作成すると、理解度が向上し問題を減らせます。

また、時間の感覚も日本と異なるため、最初のうちは戸惑う場面も出てくるでしょう。しかしスリランカ人も日本で働く中で時間厳守の習慣は身についてくるので、継続的な指導が大切です。

宗教・文化への配慮が必要な場合がある

スリランカ人と仕事をする際に、宗教・文化への配慮が必要な場合があります。

外務省の資料によると、スリランカ人で1番多く信仰されている宗教は仏教(70.1%)です。次で、ヒンドゥー教(12.6%)、イスラム教(9.7%)、キリスト教(7.6%)となっています。

それぞれが宗教を大切にしており、日常生活にも宗教的慣習が根ざしています。

宗教の行事や儀式があるときには、文化的背景を考慮してシフトや休暇の調整も検討してみてください。

スリランカ人を介護職に雇用する流れ

汎用

スリランカ人を介護職に雇用する流れを5ステップで紹介します。

  • 人材を募集する
  • 面接をする
  • 雇用契約を結ぶ
  • 在留資格取得・変更の申請をする
  • 就労後のサポートをする

記事を参考に採用活動を進めてみてください。

なお、今回紹介するのは、日本に滞在するスリランカ人を雇用する方法です。スリランカ在住のスリランカ人を雇用する場合は「在留資格認定証明書」と「入国ビザ(査証)」の取得手続きが必要です。

1.人材を募集する

まずは、人材を募集します。

代表的な人材募集の方法を以下にまとめました。

人材募集の方法
  • SNSで応募者を呼びかける
  • 留学生のいる学校に求人を提出する
  • 会社ホームページの求人ページで募集をかける
  • 外国人向け人材紹介会社に紹介してもらう

より多くの候補者にアプローチしたい場合、複数の方法を組み合わせる選択肢もあります。

効率的に採用活動を進めたいなら、外国人向け人材紹介会社の利用がおすすめです。なかでも介護職の就労支援に強く、スリランカ人の採用実績がある会社を厳選して選ぶと、企業のニーズに合った人材を見つけやすいです。

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2.面接をする

次に面接です。

候補者との会話をとおして人柄や仕事への意欲、日本語能力を評価します。

面接では、応募者に在留カードの提示を求めてください。

就労が認められている在留資格かをチェックし、在留期間が過ぎていないかを確認します。

不正な在留資格を持つ外国人を雇用してしまった場合、企業側が法的責任を問われる可能性があります。

3.雇用契約を結ぶ

面接を通過した方と、雇用契約を結びます。

雇用契約書は、本人が理解できる言語で作成してください。

契約内容をよく理解しないまま契約を進めると、あとでトラブルに発展する恐れがあります。

雇用条件や労働時間なども外国人が理解できる言語で説明し、納得・合意のうえで契約を締結します。

4.在留資格変更の申請をする

雇用契約を結んだら、在留資格の変更手続きをします。

以下は変更パターンの例です。

変更パターンの例
  • 留学生から介護分野の在留資格への変更
  • 介護福祉士の試験合格後、在留資格「介護」に変更
  • 就労が認められている別の在留資格から介護分野の在留資格への変更

外国人労働者がスムーズに変更手続きを進めるためには、企業側のサポートも不可欠です。自社でのサポートが難しいと感じた場合は、外国人雇用における行政手続きの専門家である行政書士に依頼することも検討してみてください。

在留資格変更のタイミングや申請方法は以下の記事で詳しく解説しています。

5.就労後のサポートをする

在留資格の変更が許可されれば、労働を開始できます。

企業はスリランカ人が安心して働けるように、就労後も丁寧にサポートしましょう。

具体的には以下のようなサポートがあると、外国人が働きやすいです。

サポート例
  • 日本語学習の機会を提供する
  • 生活面での困りごとに対応する
  • 定期面談を実施して相談に応じる
  • 職場内でのコミュニケーションを促進する
  • 日本人スタッフに異文化理解の研修を実施する

これらのフォローにより、長期的な雇用関係を築けます。

技能実習生や特定技能1号外国人は、住居の確保や生活面の支援が義務化されています。在留資格で求められるサポートを提供するのも企業側の責務です。

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スリランカ人の真面目で勤勉な性格や目上の方を敬う文化は、日本の介護職で働くうえで大きな強みです。

企業側が言語や価値観の違いを理解しつつ、個々に合わせた指導を進めていけば、質の高い介護人材を育成できます。

本記事で紹介した、在留資格の種類や雇用の流れを参考に、スリランカ人の採用を検討してみてください。

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監修者プロフィール

猪口裕介
猪口裕介一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会  理事 兼 事務局長
外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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