「ベトナム人は、どんな理由で日本で働いているの?」
「ベトナム人を受け入れた場合のメリットや注意点があれば知りたい」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
ベトナム人が日本で働く代表的な理由として、ベトナムと日本の経済的格差があります。また、生活環境が安定している点や政府間の協力体制が整っている点も、日本での就労を後押しする要因です。
ベトナム人は、勤勉で向学心が強く、高い技術を備えている傾向にあります。キャリアを発展させたい願望もあるため、日本の職場環境においては、長期的に戦力として活躍する方が多いです。
本記事では、ベトナム人が日本で働く理由や就労状況、雇用するメリットについて詳しく解説します。ベトナム人を雇用する際の注意点も紹介するので、参考にしてみてください。

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ベトナム人が日本で働く5つの理由

ベトナム人が日本で働く主な理由は以下の5つです。
- 経済格差によって収入が増えるから
- 高い技術力やスキルを習得できるから
- 親日国として日本文化に親しみを感じるから
- 生活環境が安定しているから
- 政府間の協力体制があり渡日しやすいから
順番に見ていきましょう。
1.経済格差によって収入が増えるから
ベトナム人が日本で働く最も大きな理由は、日本との経済格差による収入の向上です。
日本での平均給与は、ベトナム国内の賃金の数倍に及びます。ベトナム統計総局の発表(2024年版)によると、ベトナム人1人当たりの月間平均所得は542万ドン(約3万352円)でした。
一方、日本で働く外国人労働者の月収は、職種や在留資格によって異なりますが、ベトナムの平均所得を大きく上回る場合がほとんどです。

日本での生活費のほか、ベトナムに住む家族への仕送りや、将来のための貯蓄も可能になります。
2.高い技術力やスキルを習得できるから
日本での就労により、高度な技術や専門知識を習得できる点も大きな魅力です。
日本の企業は研修制度が充実しており、業務に必要な知識を体系的に学べる環境が整っています。
製造業では機械操作や品質管理、サービス業では接客スキルの習得が可能です。



日本で得た技術や知識は、将来ベトナムに帰国した際にも活用でき、キャリアアップの基盤となります。
3.親日国として日本文化に親しみを感じるから
ベトナムは親日国として知られており、多くのベトナム人が日本文化に親しみを感じています。
外務省が実施した令和5年度の「海外における対日世論調査」によると、ベトナムでは日本が最も信頼できる国として挙げられています。友好関係にあり、経済的結びつきが強いことが主な理由です。
ベトナム人は日本での就労に対して前向きな気持ちを持ちやすく、職場環境にも馴染みやすい傾向があります。
4.生活環境が安定しているから
日本の安定した生活環境も、ベトナム人が日本で働く理由のひとつです。
医療・公共のサービスなどが充実しており、生活のしやすさに魅力を感じるベトナム人も少なくありません。
また、以下のような日本の社会保険制度が充実しているため、万が一の際も保障を受けられます。
- 健康保険
- 年金制度
- 労災保険など
企業の福利厚生(住宅手当や交通費支給、家族手当など)も生活しやすさの要因です。
5.政府間の協力体制があり渡日しやすいから
特定技能外国人を受け入れる際、日本とベトナムの両政府間では協力覚書(MOC)を結びます。協力覚書とは、特定技能制度の円滑な運用と、特定技能外国人の保護を目的とした政府間の正式な合意文書です。
法的な枠組みが明確であることから、渡日手続きもスムーズに進められます。
日本で働くベトナム人労働者の現状


厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」のデータによると、日本における外国人労働者数は令和6年10月末時点で2,302,587人と過去最多の記録です。
前年から253,912人増加し、対前年増加率は12.4%となっています。その中でベトナムは最も多く570,708人で、総数の約4分の1を占めています。
ベトナム人労働者の在留資格の上位3つを、以下の表にまとめました。
在留資格 | 人数 |
---|---|
技能実習 | 285,653人 |
特定技能 | 134,961人 |
技術・人文知識・国際業務 | 67,842人 |
技能実習が最も多い状況ですが、2024年に成立した育成就労制度が影響し、近年では徐々に減少傾向にあります。一方で、特定技能のベトナム人労働者は増加しています。




日本で働く意思があるベトナム人を雇用する3つのメリット


ベトナム人労働者を雇用する主なメリットは以下の3つです。
- 若くて勤勉な労働力を確保できる
- 高い技術と器用さがある
- 長期的な雇用関係が望める
ひとつずつ見ていきましょう。
若くて勤勉な労働力を確保できる
ベトナムは、生産年齢人口(15〜64歳)の割合が高い国です。法務省の資料によると令和6年末ではすでに46,367人のベトナム人留学生が日本に滞在しており、若い人材の確保が期待できます。
また、ベトナムは教育熱心な文化背景もあり、高い学習意欲と向上心を持つ人材が多いです。



若い労働力と勤勉な国民性により、企業の成長促進につながります。
高い技術と器用さがある
ベトナム人は手先の器用さがあり、細かい作業を得意とする方が多いです。
ベトナムでは、技術職や専門職に特化した教育・訓練が充実しており、とくに工学系、IT、機械、電気系の分野で高い技術力を持つ人材が多く育成されています。
ベトナム人の受け入れにより、労働生産性の向上が期待できます。
長期的な雇用関係が望める
ベトナムの若者は、安定した雇用とキャリアアップに関心を持つ方も少なくありません。そのため、業務に真剣に取り組み、自身のスキル向上に対する前向きな姿勢を見せてくれます。



日本で長く働くために、技能実習から特定技能、特定技能1号から特定技能2号など、在留期限の延長を選択する方も多いです。
企業にとっては長期間に渡って安定した人材を確保でき、ベトナム人労働者にとってもキャリア形成の機会が得られるため、双方にメリットがある雇用関係を築けます。
なお、良好な関係性を築くためには、コミュニケーションの取り方も大事なポイントです。
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日本で働く意思があるベトナム人を雇用する際の注意点


日本で働く意思があるベトナム人労働者を雇用する際の注意点は、以下の3つです。
- 在留資格を適切に管理する
- 文化・モラルの違いを受け入れる
- 労働条件・待遇を明確に提示する
順番に見ていきましょう。
在留資格を適切に管理する
ベトナム人を受け入れる際には在留資格の種類・在留期間の確認が必須です。
就労が認められる在留資格でなければ、候補者を採用できません。また、更新手続きをせずに在留資格の期限が過ぎていればオーバーステイに該当し、企業側も処罰の対象です。
面接時に在留資格の内容をよく確認し、雇用後は在留期間が過ぎないよう企業側も管理を徹底しましょう。


文化・モラルの違いを受け入れる
ベトナム人を雇用するにあたって、文化・モラルの違いを受け入れる姿勢が欠かせません。
生まれた国・育った環境が異なるため、価値観や行動に違いがあるのは当然です。



相手のことを理解したうえで、日本独自のマナーや価値観を丁寧に教えていきましょう。
一方的に日本のやり方を押し付けるのではなく、互いの文化を尊重しながら職場で必要なルールやマナーを共有することで、良好な職場環境を築けます。


労働条件・待遇を明確に提示する
雇用契約を結ぶ前に、賃金や労働時間などの労働条件・待遇を明確に提示しましょう。
労働条件が曖昧だと、あとから賃金や休日に関する認識の違いが生じ、トラブルに発展するリスクがあります。
ベトナム人が理解できる言語での説明と雇用契約書の作成をすると、トラブルを回避しやすいです。※技能実習・特定技能の場合は、外国人が理解できる言語での雇用契約書作成は必須対応
ベトナム人が理解できる言語については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。


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日本で働くベトナム人に関するよくある質問


最後に日本で働くベトナム人に関するよくある質問と回答をまとめます。
ベトナム人は日本で何年働けますか?
ベトナム人が日本で何年働けるかは、在留資格の種類によって異なります。
以下は、ベトナム人労働者に多い在留資格の順に、就労できる期間をまとめた表です。
在留資格 | 期間 |
---|---|
技能実習 | 最長5年 |
特定技能 | 1号:通算5年まで2号:上限なし |
技術・人文知識・国際業務 | 5年、3年、1年または3ヵ月(更新可能) ※在留期間の上限なし |
長期間の雇用を検討している場合は、特定技能2号や技術・人文知識・国際業務などの在留資格が適しています。
ベトナム人にやってはいけないことは何ですか?
ベトナム人には宗教的・文化的なタブーがあります。
例えば、他人の前で叱ったり、目上の方に対して失礼な態度をとったりする行為です。またベトナムでは公共の場で政治の悪口を言うのは禁じられているので、政治や歴史を批判する発言もNGです。
詳しくは以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。


日本で働くベトナム人はいくらくらい給料がもらえていますか?
給与水準は企業の設定価格によって決まりますが、原則として日本人と同等の給料にする必要があります。
以下は在留資格別に給与額をまとめた表です。
在留資格 | 給与額 |
---|---|
技能実習 | 182,700円 |
特定技能 | 211,200円 |
専門的・技術的分野※特定技能を除く | 292,000円 |
技能実習生の場合、最低賃金以上の給与が保障されており、地域や職種によって異なりますが、月収15万円〜20万円程度が一般的です。



特定技能や技術・人文知識・国際業務の在留資格では、より高い給与水準で雇用されている傾向にあります。
ベトナム人が日本で働く理由を知って相互の理解を深めよう


ベトナム人が日本で働く理由は、経済的背景のほか、日本の充実した生活環境やキャリアアップの機会を求めて日本での就労を選択しています。
これらの背景を理解すれば、ベトナム人労働者のモチベーションや価値観を把握できます。若くて勤勉な労働力、高い技術力、長期的な雇用関係への期待などは、企業にとっても多くのメリットです。
本記事で紹介したベトナム人を雇用するメリットや注意点も参考にしながら、ベトナム人労働者の採用を検討してみてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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