外国人と日本人の税金の違いは?雇用する前に知っておきたい基礎知識

外国人と日本人の税金の違いは?雇用する前に知っておきたい基礎知識

「外国人と日本人では支払う税金が違うの?」
「外国人雇用で税金の手続きはある?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

外国人と日本人では、税率や課税対象が異なる税金もあります。企業で外国人を雇用する場合、この違いについての基礎知識を習得しておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、外国人と日本人の税金の違いについて解説します。外国人労働者が免税になる手続きについても紹介しているので、外国人雇用を検討している方は参考にしてみてください。

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目次

【一覧】外国人に義務付けられている税金の種類

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日本に在住・就労する外国人の場合、納める税金の種類は日本人とほとんど変わりません。

外国人に納税義務がある主な税金の種類を、以下の表にまとめました。

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税金の種類特徴
所得税1月1日から12月31日までの1年間に生じた個人の所得にかかる税金
住民税1月1日現在で住所がある(あった)都道府県と市区町村に納める税金
消費税商品を購入したときやサービスの提供を受けたときにかかる税金
自動車税自動車・軽自動車を購入・保持にかかる税金
固定資産税1月1日現在に次のものをもっている場合にかかる税金
・土地
・住宅、物置、車庫などの家屋
・事業に必要な機材や設備
相続税亡くなった人の財産を相続したときに、その財産にかかる税金
参考:出入国在留管理庁 「生活・就労ガイドブック」第8章税金
猪口 裕介

これらの税金は、外国人の在留資格や滞在期間に関わらず、原則として納税義務があります。

外国人と日本人の税金の違い

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ここでは、以下の税金における外国人と日本人の違いについて詳しく解説します。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 固定資産税・不動産取得税
  4. 相続税・贈与税

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1.所得税

所得税とは、個人の年間所得に対して課される税金です。

累進課税制度により、所得が高くなるにつれて税率も高くなる仕組みです。外国人労働者にも日本人と同じく所得税がかかります。

しかし、課税の対象となる所得や税率の規則は外国人が「居住者」「非居住者」どちらの居住形態に区分されるかにより異なります。

居住者とは

日本に住所をもつまたは現在まで継続して1年以上日本に滞在している外国人

非居住者とは

外国に住所をもつ、または1年未満の短期滞在の外国人

居住形態における所得税の違いを以下の表にまとめました。

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居住形態居住者非居住者
課税の対象となる所得国内外で生じた所得国内で生じた所得
税率の規則日本人同様に累進課税制度により、所得が高くなるにつれて税率も高くなる給与の支給額に対し、一律20.42%の税率が適用される
控除の種類・基礎控除
・医療費控除
・生命保険料
・社会保険料控除
・配偶者控除
・雑損控除
・寄附金控除など
以下3つのみ
・基礎控除
・雑損控除
・寄附金控除

居住者に対する所得税の扱いは日本人とほぼ同じですが、非居住者は課税対象や税率、適用される控除が異なります。

2.住民税

住民税は、個人が居住している市区町村と都道府県に対して支払う地方税です。先ほど紹介した「居住者」が住民税を納める対象者です。

具体的には1月1日時点で日本に住所があり、一定額以上の給与を受け取っていれば住民税を納めなくてはなりません。

猪口 裕介

企業に務める外国人労働者の場合、給与から天引きされる特別徴収の方法が適用されるケースが多いです。

ただし住民税は、前年の所得をもとに計算するため、日本に来た初年度の外国人労働者には住民税が発生しない場合もあります。

3.固定資産税・不動産取得税

固定資産税と不動産取得税も外国人に納税義務があります。

固定資産税とは

毎年1月1日時点で土地や建物を所有している個人や法人に対して課される税金

不動産取得税とは

土地や建物を購入した際に一度だけ課される税金

これらの税金は、居住形態に関わらず、日本国内に固定資産を所有または不動産を購入したすべての外国人に対して課税されます。

4.相続税・贈与税

相続税と贈与税も外国人に納税義務があります。

相続税とは

亡くなった親や親族から受け継いだお金や不動産などの財産に対して課される税金

贈与税とは

個人から年間110万円を超える財産をもらった場合、その財産に対して課される税金

財産は国内のものと海外のものが存在しますが、課税対象は「相続される人または受贈者」「相続する人または贈与者」の住所の所在地や国籍によって異なります。

たとえば「相続される人または受贈者」で以下の条件が揃っていれば、相手の住所の所在地や国籍を問わず課税対象は国内外の財産になります。

相続される人または受贈者の条件
  • 国内に住所あり
  • 国内に住所はないが10年以内に国内に住所があった

条件次第では課税対象が国内の財産のみになる場合もあります。

参考記事:国税庁|相続人が外国に居住しているとき
参考記事:国税庁|受贈者が外国に居住しているとき

外国人の税金が免税されるケース【租税条約】

汎用

外国人は租税条約において税金が免除されるケースがあります。

租税条約とは

二重課税や脱税を防ぐために、日本と海外の二国間で結ばれる条約

先述のとおり、居住者の場合、国内・国外で生じた所得に対して税金が発生します。二重課税の状態となるため、納税者にとっては大きな負担です。しかし租税条約の効力が働けば、片方の国だけの納税で済みます。

また、技能実習生を対象に、租税条約で以下のような免税措置を設けている国もあります。

租税条約に関する届出書の提出

出典:外国人技能実習機構|租税条約に関する届出書の提出

租税条約を適用させるには、税務署へ「租税条約に関する届出書」の提出が必要です。

猪口 裕介

外国人労働者を雇用する際は、出身国と締結されている条約内容を確認しておきましょう。

外国人の税務にお悩みがあれば「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください

日本料飲外国人協会

外国人の税務に関してお悩みや不安があれば、「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください。外国人の税務処理は、以下のような複雑な手続きが必要です。

  • 外国人労働者への事前説明
  • 所得税・住民税の申告や納付
  • 外国人労働者の居住形態の確認

このような手続きをすべて自社で進めようとすると、ミスが発生したり、時間がかかったりする可能性があるでしょう。

当協会では、外国人の税務知識に精通したスタッフが在籍しております。企業単独では難しい税務の手続きを丁寧にサポートいたします。相談は無料ですので、外国人の税金に関してお困りごとがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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外国人の税金に関するよくある質問

外国人の税金に関するよくある質問をまとめました。

日本に暮らす外国人が支払っている税金はなに?

日本に暮らす外国人が支払うべき主な税金は、以下のとおりです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 消費税
  • 自動車税
  • 固定資産税
  • 相続税

日本に暮らす外国人は、日本人と同様にさまざまな税金を支払う義務があります。

外国人が支払う税金はいくら?

外国人が日本で支払う税金の額は、所得や居住者形態によって異なります。具体的な税率やポイントを、以下の表にまとめました。

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税金の種類具体的な税率やポイント
所得税税率は5%から45%までの範囲で、所得が高くなるにつれて税率も高くなる
非居住者の場合、一律20.42%の税率を適用する
住民税税率は市区町村や都道府県によって異なる
総額としては所得の10%程度が一般的
消費税現在の消費税率は10%
お酒・外食を除く飲食料品を購入したときは軽減税率8%
固定資産税標準税率は1.4%
自治体によって異なる場合がある
相続税税率は10%から55%の範囲で、相続分に応じた金額が高くなるにつれて税率も高くなる

外国人は日本人より税金が高いの?

一般的に、日本に居住する外国人は日本人とほぼ同じ税金を支払います。所得税・住民税などの税金の仕組みは、外国人と日本人の間で大きな違いはありません。

ただし、非居住者の場合は、課税方法が異なります。非居住者は日本国内で得た所得に対してのみ課税され、一律20.42%の税率です。

猪口 裕介

所得によっては、非居住者の所得税が低くなる可能性もあるでしょう。

外国人が税金を支払わないとどんな問題が起こる?

外国人が税金を支払わないと以下のようなリスクが生じます。

  • 延滞金が課される
  • 在留資格の更新ができない
  • 罰金や罰則など法的措置を受ける

最悪の場合、強制送還されるので税金はしっかり納めましょう。

外国人と日本人の税金の違いを理解してから採用を進めよう!

汎用

外国人採用はグローバルな視野を広げ、労働力不足解消につながる絶好のチャンスです。外国人の税金に対する理解を深めて、外国人労働者の採用に向けてスムーズに税務処理できる準備をしておきましょう。

外国人の税務処理をスムーズに進められるか不安…」という方は、「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください。外国人の税務に関する専門知識をもったスタッフが、一から手続きをサポートいたします。

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監修者プロフィール

猪口裕介
猪口裕介一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会  理事 兼 事務局長
外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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