「永住許可申請書の書き方がわからない」
「記入例を見ながら、正確に申請書を作成したい」
このような悩みをお持ちの方も多いでしょう。
永住許可申請書は、永住権の取得を左右する重要な書類です。出入国在留管理庁の調査報告によると2024年の永住権申請の許可率は66%でした。
永住許可申請書は、記入項目が多く申請手続きが複雑なため、内容に不備や誤記が生じて不許可となる方も少なくありません。
そこで本記事では、永住許可申請書の書き方を、記入例とともに項目ごとにわかりやすく解説します。
あわせて、必要な書類や申請する際の注意点も紹介するので、記事を参考に許可率を高める申請書を作成しましょう。

この資料でわかること
- 外国人雇用時の関連法令の基本
- 在留資格の種類と特徴、手続きの一例
- 労働条件と雇用契約
- 外国人雇用のトラブル事例と対策 など
【基本知識】永住許可申請とは

永住許可申請とは、現有している在留資格から「永住者」への変更を希望する外国人が、法務大臣に対して行う許可申請です。
法律上は在留資格変更許可の一種とされており、許可が下りれば在留期間の制限なく日本に滞在できるようになります。
この申請の対象となるのは、永住者の在留資格への変更を希望する外国人、または日本で生まれたり日本国籍を離脱したりといった理由で、永住者の在留資格の取得を希望する外国人です。
永住許可の取得後は、在留期間の制限や就労制限がなくなるため、日本での生活の安定性が大幅に向上します。
ただし、許可を得るためには厳格な要件を満たす必要があり、申請書類の正確な記入と必要書類の完備が求められます。
申請手続きができるのは、原則外国人本人です。永住許可申請は行政手続きに該当するため、企業側は書類作成や申請を代理できません。
雇用している外国人労働者が永住許可申請を希望してきた場合は、本人が適切に手続きを進められるよう企業側はサポートに徹しましょう。
永住と混同されやすい「帰化」との違いについては、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

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永住許可申請書の記入例【項目別】

永住許可申請書は、永住権の審査において最も重要な書類のひとつです。
申請人の基本情報から家族構成まで幅広い項目があることに加え、在留資格や職歴、さらには申請理由を日本語で正確に記載しなくてはいけません。
そのため、記入漏れや間違いがないよう、慎重に作成する必要があります。
記入項目は大きく以下の5つに分類されます。
- 申請人の基本情報(1~10項目)
- 在留資格と期間(11~13項目)
- 申請理由・経歴(14~16項目)
- 職業・勤務先情報(17項目)
- 家族構成・配偶者情報(18~19項目)
それぞれの詳しい記入例を見ていきましょう。
申請人の基本情報
申請書の1〜10は、申請人本人に関する基本的な情報を記入する項目です。パスポートや在留カードを見ながら、正確に記入しましょう。
番号 | 項目 | 記入のポイント |
---|---|---|
1 | 国籍・地域 | 正式名称で記入する |
2 | 生年月日 | 西暦で記入する(例:1990年1月1日) |
3 | 氏名 | パスポートのとおりにアルファベットで記入する※漢字氏名がある場合は併記 |
4 | 性別 | 該当する性別に〇をつける |
5 | 出生地 | パスポートのとおりに、生まれた都市名を記入する |
6 | 配偶者の有無 | 法律上の婚姻関係にある場合に「有」を〇で囲む |
7 | 職業 | 現在の職業を記入する(例:会社員、経営者、英語教師など) |
8 | 本国における居住地 | 母国での住所を記入する |
9 | 日本における住所 | 現在の在留カードに記載されているとおりに、都道府県から正確に記入する |
10 | 旅券(パスポート) | 番号と有効期限を、パスポートを見ながら正確に記入する |
申請書への記載は、漢字表記やアルファベット表記の違いも審査に影響するため、一字一句正確に転記しましょう。
在留資格と期間
11〜13の項目では、現在の在留資格と在留期間、過去の犯罪歴について記載します。
番号 | 項目 | 記入のポイント |
---|---|---|
11 | 在留資格(在留期間・満了日) | 現在の在留資格を記入する(例:技術・人文知識・国際業務) |
12 | 在留カード番号 | 在留カードに記載されている番号を記入する |
13 | 犯罪を理由とした処分歴 | 該当する方を〇で囲む |
在留期間や期間満了日は、在留カードに記載されている期間を西暦で正確に記入します。
申請理由・経歴
14〜16項目では、永住許可を申請する理由と学歴・職歴を詳しく記載します。
永住許可を申請する理由は、ここでは簡単に述べてかまいません。枠に入らない場合は、申請理由書を作成し「別紙参照」と記載します。
15の「上記と異なる国籍・地域・氏名・生年月日による出入国の有無」は、たとえば2つのパスポートを所持している二重国籍の場合や、婚姻で氏名の変更があった場合が該当します。
学歴・職歴については、日本に入国後の学歴や職歴を漏れなく記載しましょう。
空白期間がある場合は、その理由も含めて記載することで審査官に正確な情報を伝えられます。
入国年月日や上陸許可年月日についても、旅券の上陸許可シールや入国スタンプや記録をもとに正確な記入が求められます。
職業・勤務先情報
17項目では、現在の職業と勤務先に関する詳細な情報を記載します。
主に生活費を得ている人の項目を塗りつぶすかチェックを入れ、勤務先の正式名称、支店・事業所名、所在地、電話番号、年収を正確に記入してください。個人事業主の場合は、事業の内容や規模についても詳しく記載する必要があります。
収入の安定性は永住許可の重要な判断材料となるため、正確な情報提供が不可欠です。
家族構成・配偶者情報、在日身元保証人情報
18〜20項目では、家族構成と配偶者の詳細情報、代理人について記載します。
日本に居住する家族や同居している人がいる場合は、氏名、続柄、国籍、在留資格、職業などの記入が必要です。
永住許可申請では、原則として日本人または永住者に身元保証人になってもらう必要があります。この欄には、身元保証人の氏名、住所、電話番号、職業、国籍・地域、申請人との関係などを記入します。
代理人は、申請人の法定代理人が提出する場合に記入が必要です。ない場合は該当なしと記入し、21の署名欄に自筆でサインをします。
永住許可申請書の5つのパターン

永住許可申請は、申請人の在留資格や身分関係によって、主に以下の5つのパターンに分けられます。
自分がどのパターンに該当するかによって、求められる要件や提出する必要書類が大きく異なります。
申請人 | 主な要件 |
---|---|
日本人の配偶者、永住者の配偶者または実子 | 結婚から3年以上経過し、かつ日本に1年以上在留歴がある |
定住者 | 「定住者」の在留資格を得てから、継続して5年以上日本に在留している |
就労・家族滞在 | 原則として10年以上の継続滞在と5年以上の就労歴が求められる |
高度人材外国人 | 高度人材ポイント計算で70点以上(または80点)ある3年以上(または1年)継続して日本に在留している |
特別高度人材 | 「高度専門職」の在留資格があり「特別高度人材」の基準に該当している1年以上継続して在留している |
出典:出入国在留管理庁|永住許可申請
永住許可申請の要件に該当しているかどうかは、それぞれセルフチェック可能です。1つでも「いいえ(No)」があれば、永住許可申請は「不許可」となる可能性が高くなります。
【一覧】永住許可申請で提出する必要書類

永住許可申請で提出する必要書類は、申請人の在留資格や身分・地位によって異なります。
ここでは、申請人が就労関係の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」「技能」など)および「家族滞在」の在留資格である場合を例に、必要書類を詳しく解説します。
必要書類 | 内容 |
---|---|
永住許可申請書 | 1通 |
証明写真(縦4cm×横3cm) | 1葉※規格を満たした写真 |
理由書 | 1通※ 日本語以外で記載する場合は翻訳文を添付 |
身分関係を証明する書類※在留資格が「家族滞在」の場合 | 以下のいずれかを1通戸籍謄本(全部事項証明書)出生証明書婚姻証明書認知届の記載事項証明書 |
住民票の写し | 家族全員分、マイナンバー記載なしのもの |
在留カード・パスポート | 原本提示、コピー |
職業を証明する書類 | 以下のいずれか 在職証明書(会社員) 確定申告書控えの写し(個人事業主) 職業・収入に関する書類 |
公的年金・医療保険の加入状況証明書 | 直近2年間で、加入したすべての公的制度分 |
所得証明書・課税証明書・納税証明書 | 直近5年分、市区町村から発行 |
国税の納付状況を証明する資料 税務署より発行する納税証明書(その3) | 以下の5項目すべて 源泉所得税及び復興特別所得税 申告所得税及び復興特別所得税 消費税及び地方消費税 相続税 贈与税に係る納税証明書 |
身元保証書 | 所定様式、通常は配偶者や親族 |
身元保証人の身分証明書写し | 運転免許証 |

日本で発行される証明書はすべて、発行日から3ヵ月以内のものを提出する必要があります。
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永住許可を申請する際の注意点


永住許可を申請する際の主な注意点は、以下のとおりです。
- 永住許可の要件をチェックする
- 必要書類は不足なく準備する
- 永住申請の理由書は具体的に記入する【パソコン・手書き】
これらのポイントを押さえることで、申請の成功率を高められます。
永住許可の要件をチェックする
永住許可を得るには、法律で定められた要件を満たしている必要があります。
出入国在留管理庁のウェブサイトには、自身の状況が要件を満たしているかを確認できる「永住許可の要件チェックシート」が用意されています。
- 在留資格「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の方
- 在留資格「定住者」の方
- 就労関係の在留資格の方
このチェックシートでひとつでも「いいえ(No)」に該当した場合、永住許可申請は不許可になる可能性が非常に高くなります。



ただし、すべてが「はい(Yes)」だったとしても、永住許可を約束するものではない点は理解しておきましょう。
必要書類は不足なく準備する
提出する書類に不足や不備があると、審査がスムーズに進みません。
出入国在留管理庁から追加の資料提出を求められ、すべての書類が揃うまで審査がストップしてしまうこともあります。
必要書類は、申請人の在留資格や身分・地位によって異なります。出入国在留管理庁のウェブサイトにあるチェックリストで、ご自身の状況にあわせた最新の情報を確認しましょう。
書類は抜け漏れなく準備し、万全の状態で申請に臨むことが重要です。
とはいえ、必要書類をすべて揃え、完璧に書類を仕上げるのは大変です。確実性を求めたい方は、外国人雇用の行政手続きに精通した申請取次行政書士に業務を委託しましょう。
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永住申請の理由書は具体的に記入する【パソコン・手書き】
永住申請の理由書は、なぜ日本に永住したいのか、これまでどのように日本社会に貢献してきたのかをアピールする重要な書類です。
インターネット上にある定型文をそのまま使うのではなく、経歴や思いを、自分の言葉で具体的に記入します。
理由書に指定の書式はなく、手書きでもパソコンで作成しても、どちらでも問題ありません。一般的にはA4用紙1〜2枚程度で、読みやすい文字で原則として日本語で作成します。
なお、パソコンで作成した場合でも、末尾に署名欄を設け、必ず自筆でサインしましょう。



理由書は申請人の人柄や意欲を伝える重要な書類となるため、丁寧に作成することが求められます。
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永住許可申請は審査が厳格で、書類の不備や記入ミスが不許可の原因となる可能性があります。弊社では、豊富な経験にもとづく的確な判断で、申請書の作成から必要書類の準備までサポートし、不許可になるリスクを最小限に抑えます。
また、外国人向けの人材紹介会社で登録支援機関の認定を受けている「日本料飲外国人雇用協会」と連携しているため、外国人雇用の候補者選びのサービスもご提供が可能です。
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永住許可申請書の記入に関するよくある質問


最後に永住許可申請書の記入に関するよくある質問と回答をまとめます。
申請書の経歴が枠に収まらない場合は別紙に書いてもいいですか?
永住許可申請書の経歴欄が小さすぎて記載内容が収まらない場合は、履歴書を別途作成して提出が可能です。
申請書の注意書きにも「書き切れないときは別紙に記載」と明記されているため、無理に小さな文字で枠内に収める必要はありません。
別紙として履歴書を作成する際は、学歴・職歴を時系列順に詳しく記載し、空白期間がある場合はその理由も含めて記入します。



A4用紙を使用し、読みやすい字・フォントで作成しましょう。
身元保証書の記入はどのようにしたらいいですか?
身元保証書はダウンロードもしくは、地方出入国在留管理局で用紙をもらい作成します。その際、申請人ではなく身元保証人ご本人が記入する必要があります。
日本人、または永住者が身元保証人として、氏名や住所、勤務先、国籍などを記入し、直筆で署名が必須です。
身元保証書には、身分証(運転免許証やパスポートなど)の写しを添えて提出します。
永住権の申請は外国人本人が自分でしなければいけませんか?
永住許可申請は原則として外国人本人が行う必要がありますが、申請取次行政書士に依頼すれば代理申請が可能です。
申請取次行政書士は、出入国在留管理庁から認定を受けた専門家で、外国人に代わって在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請などの入管手続きができます。
申請人は出入国在留管理庁に直接出向く必要がなくなります。
また、申請書の作成や必要書類の準備についても、専門知識を持つ行政書士がサポートするため、記入ミスや書類不備のリスクを大幅に減らせます。




永住許可申請書の正しい記入でスムーズに許可をもらおう


永住許可申請書は、永住権の取得を左右する非常に重要な書類であり、正確な記入が求められます。
申請書は、本人の在留資格によって5つのパターンに分かれています。また、提出する必要書類も在留資格や身分・地位によって変わるため、事前の確認が不可欠です。
永住許可の要件チェック、書類の完備、理由書の具体的な記入といった注意点を守ることで、許可率を上げられます。
本記事で紹介した永住許可申請書の記入例や必要書類、注意点を参考にして、計画的に申請準備を進めてみてください。
とはいえ「申請書の記入が複雑で、正確に作成できるか不安…」という方もいるでしょう。このように悩んだら「FES行政書士法人」にご相談ください。
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- FES行政書士法人は外国人就労者特化の行政書士法人
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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