「外食業の特定技能ってどんな在留資格か知りたい…」
「外食業の特定技能を持つ外国人を雇用するメリット・注意点は?」
このような疑問や不安を抱えていませんか?
特定技能「外食業」とは、外食産業の人手不足を改善するための在留資格です。
外食業の特定技能を持つ外国人は調理から接客、店舗管理まで幅広い業務に従事できるため、企業の人手不足問題の解決に貢献できます。
特定技能「外食業」を受け入れるためには、食品産業特定技能協議会への加入や支援計画の実施など企業側は準備が必要です。
本記事では、特定技能「外食業」について詳しく解説します。任せられる業務内容や雇用するメリットも紹介しているので、外食業の特定技能を持つ外国人を雇用したい方は参考にしてみてください。
特定技能「外食業」とは

そもそも特定技能とは、人手不足が深刻化している産業分野において、⼀定の技能・日本語能力を持つ外国⼈材の確保を目的とした制度です。当初12分野で開始されましたが、2024年に4分野が追加され、現在は16分野が対象となっています。外食業はこの16分野の1つです。
特定技能には1号と2号の2種類があり、在留可能期間や必要とされる技能要件に違いがあります。
2023年に特定技能2号の分野が2分野から11分野へと広がり、その際に「外食業」も特定技能2号の対象分野となりました。
特定技能1号と2号の違いは以下のとおりです。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
在留可能期間 | 5年 | 期間の定め無し |
家族帯同 | 原則不可 | 可 |
必要とされる技能要件 | 産業分野ごと定められた特定技能1号の技能試験の合格※移行可能分野での技能実習2号を良好に満了した場合免除 | 管理実務を複数年経験(産業ごとに異なる)および、特定技能2号試験の合格 |
日本語能力 | 日本語能力試験N4以上または、国際交流基金日本語基礎テストA2※移行可能分野での技能実習2号を良好に満了した場合免除 | 産業分野ごとに異なる 例)外食業:日本語能力試験N3以上 |
分野 | ①外食、②飲食料品製造、③介護、④宿泊、⑤ビルクリーニング、⑥農業、⑦漁業、⑧工業製品製造業⑨建設、➉造船・船舶工業、⑪自動車整備、⑫航空業、⑬自動車運送業、⑭鉄道、⑮林業、⑯木材産業 | 以下の5産業分野を除く特定技能1号の11分野が対象③介護、⑬自動車運送業、⑭鉄道、⑮林業、⑯木材産業 |
特定技能1号の在留期間は最⻑5年であるものの、⼀定の要件を満たすことで特定技能2号に移行でき、引き続き⽇本で就労できます。
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特定技能「外食業」の仕事内容

特定技能「外食業」の外国人労働者は、外食業全般で幅広い業務に携われます。
具体的には、飲食物調理・接客・店舗管理の3業務です。また、特定技能2号の場合、店舗経営も業務内容に加わります。
それぞれの仕事内容は以下のとおりです。
特定技能「外食業」 | 内容 |
---|---|
飲食物調理 | 食材の仕込み、加熱調理、非加熱調理、味付け、盛付け、飲食料品の調製など |
接客 | 席への案内、メニューの提案、注文、配膳、下膳、カトラリーセッティング、代金受取り、商品のセッティング、商品の受渡し、食器や容器の回収、予約受付、客席のセッティング、苦情への対応、給食事業所における提供先との連絡・調整など |
店舗管理 | 店舗内の衛生管理全般、従業員のシフト管理、求人・雇用に関する事務、従業員の指導・研修に関する事務、予約客情報・顧客情報の管理、レジ・券売機管理、会計事務管理、社内本部・取引事業者・行政との連絡調整、各種機器・設備のメンテナンス、食材・消耗品・備品の補充、発注、検品または数量管理、メニューの企画・開発、メニューブック・広告等の作成、宣伝・広告の企画、店舗内外・全体の環境整備、店内オペレーションの改善、作業マニュアルの作成・改訂など |
出典:出入国在留管理庁|特定技能1号の各分野の仕事内容
関連業務として「店舗において原材料として使用する農林水産物の生産」と「客に提供する調理品等以外の物品の販売」も可能です。そのため、調理や接客に従事できる場合、デリバリー業務も行えます。
特定技能「外食業」では、外食業で想定される大半の業務が認められているため、日本人従業員と同等の働きに期待できます。
特定技能「外食業」の取得要件

外食業分野における特定技能1号の取得には2つのルートがあります。
それぞれのルートを以下の表にまとめました。
特定技能1号 | 内容 |
---|---|
ルート1 | 外食業特定技能1号技能測定試験と国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)に合格する |
ルート2 | 外食業分野に関する技能実習2号を良好に修了する※日本語試験は免除 |
出典:出入国在留管理庁|外食業分野
特定技能1号の取得は、試験に合格するか技能実習2号を修了する必要があります。

外食業特定技能1号技能測定試験は、学科試験と実技試験の2科目でペーパーテスト方式です。
試験は北海道から沖縄まで日本各地で開催されています。また、国外試験も実施されており、一部の国に住んでいる方は現地で試験を受けられます。
外食業特定技能1号技能測定試験の国外試験対象国は以下のとおりです。
- インド
- ミャンマー
- ネパール
- タイ
- スリランカ
- カンボジア
- フィリピン
- インドネシア
- ベトナム
試験問題の構成や合格基準などは国内試験と国外試験で違いはありません。
なお、特定技能と技能実習は混同されがちな在留資格です。それぞれの違いについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。


企業側が特定技能「外食業」を受け入れるための要件


企業側が特定技能「外食業」の外国人労働者を雇用するには、決められた要件を満たす必要があります。
具体的な企業の要件は以下のとおりです。
- 風俗営業および性風俗関連特殊営業での就労禁止
- キャバクラやホストクラブなどで接待行為の禁止
- 食品産業特定技能協議会への加入と協力が必要
- 農林水産省またはその委託を受けた方が行う調査に協力が必要
- 外国人労働者へ支援計画の実施(登録支援機関に委託も可能)
- キャリアアッププラン設定と雇用契約前の書面交付
- 外国人労働者から求められた場合、実務経験を証明する書面を交付
出典:出入国在留管理庁|外食業分野
企業側はこれらの条件を満たし、適切に外国人労働者を雇用してください。
なお、初めて特定技能外国人を受け入れる場合は事前に食品産業特定技能協議会への加入が求められます。加入審査は1〜2ヵ月かかるため、早めに申請準備を行いましょう。
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特定技能「外食業」の外国人を雇用するメリット


特定技能「外食業」の外国人を雇用するメリットは以下の3つです。
- 即戦力になる人材を長期雇用できる
- 企業の課題解決に向けた人材を確保しやすい
- 新しいアイデアを取り入れられる
順番に解説します。
即戦力になる人材を長期雇用できる
特定技能を持つ外国人労働者は、技能試験と日本語試験に合格した者なので一定のスキルや知識があります。
そのため、長い教育期間を必要とせず、即戦力として活躍に期待できます。
また、外国人労働者の長期雇用も可能です。
特定技能1号は在留期間が5年ですが、特定技能2号への移行により、在留期間の制限がなくなるためです。
優秀な人材を幹部候補として育成するなど、長期的な人材戦略も立てられます。
企業の課題解決に向けた人材を確保しやすい
2つ目のメリットは、企業の課題を解決できる人材を確保しやすい点です。
特定技能「外食業」の外国人は調理から接客、店舗管理まで幅広い業務に従事できるため、人手不足で悩んでいる業務に外国人労働者を配置できます。



また、外国人観光客が多い店舗では、母国語での接客対応が可能な人材を配置できる点も魅力です。
日本人労働者で企業の課題解決が難しい場合、特定技能外国人の雇用も検討してみましょう。
新しいアイデアを取り入れられる
外国人労働者は日本人にはない文化や経験をもっており、それを活かした新メニューの開発やサービスの改善に期待できます。
外国人労働者の文化・経験を活かした貢献の具体例は以下のとおりです。
- タイ人スタッフの提案でガパオライスやトムヤムクンを新メニューに加えられる
- フィリピン人スタッフの語学力を活かし、メニューに母国語や英語を記載できる
- インドネシア人スタッフにより、現地の方向けにSNSを発信できる
外国人労働者の雇用で多様なサービスを展開できる可能性があります。
経営に行き詰まっている場合、外国人労働者のアイデアで新たな発想が生まれるかもしれません。


特定技能「外食業」の外国人を雇用する際の注意点


特定技能「外食業」で外国人を雇用する際の注意点は以下の3つです。
- 外国人の申請手続きを企業側がサポートする
- 義務的支援を提供する
- 文化や習慣の違いを理解する必要がある
順に解説します。
外国人の申請手続きを企業側がサポートする
外国人労働者を雇用する場合、在留資格取得の申請手続きが必要です。
申請手続きは複雑で、条件の不一致や書類に不備があれば不許可になる恐れがあります。
申請手続きができるのは原則本人のみですが、外国人労働者が在留資格取得の手続きに不慣れな場合は、企業側のサポートが欠かせません。



外国人労働者に手順を伝えたり、項目の意味を伝えたりするなど、できる限り協力してください。
なお、自社でのサポートが不安であれば、行政書士に依頼しましょう。中でも申請取次の資格を持つ行政書士は外国人の公的手続きの専門家であるため、外国人の申請手続きをスムーズに進められます。


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義務的支援を提供する
特定技能は義務的支援の提供が条件とされているため、必ず義務的支援を実施してください。
義務的支援の内容は以下のとおりです。
- 事前ガイダンスの実施
- 出入国するときの送迎
- 住居・生活に必要な契約のサポート
- 生活オリエンテーションの実施
- 公的手続等への同行
- 日本語学習機会の提供サポート
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(非自発的離職の場合)
- 定期的な面談・行政機関への通報
出典:出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援に関する運用要領
これらすべての支援を適切に実施することが、特定技能外国人の受け入れ要件となります。
自社での対応が難しい場合、義務的支援の提供は登録支援機関に委託する選択肢もあります。登録支援機関とは企業からの委託を受けて、特定技能1号外国人の就労を支援する専門家です。
登録支援機関へ委託することで、企業側は自社の業務に専念できます。


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文化や習慣の違いを理解する必要がある
外国人と日本人では文化や習慣に違いがあります。
具体的な文化や習慣の違いは以下のとおりです。
- 時間に対する認識の違い
- 仕事に対する価値観の違い
- 人間関係における距離感の違い
- お祈りやしきたりなど宗教上の慣習の違い
お互いの文化や習慣を理解し合うことで、円滑な職場環境づくりにつながります。


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特定技能「外食業」の外国人は、即戦力としての活躍を期待でき、長期雇用も可能な人材です。
ただし、企業側は義務的支援の提供や文化や習慣の違いを理解する必要があります。
本記事で紹介した特定技能「外食業」の仕事内容や受け入れるための要件を参考にして、外国人労働者の雇用準備を進めてみてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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