「ネパール人を介護職として雇用しても問題ない?」
「必要な在留資格や雇用する際の流れを知りたい…」
このような疑問や不安を抱えていませんか?
近年、日本の介護現場における人手不足が深刻化しています。そこで、ネパール人を含む外国人の介護人材を雇用する企業が増加中です。
ネパール人は仏教やヒンドゥー教の影響から高齢者に対して敬意を持って接する方が多く、介護現場で利用者との信頼関係を築きやすいと言えます。
本記事では、ネパール人が日本の介護職で働く現状や在留資格、雇用するメリット、注意点を解説します。雇用する流れも紹介しているので、ネパール人の介護人材を雇用したい方は参考にしてみてください。

この資料でわかること
- 訪問介護解禁の背景・概要
- 外国人材・事業者における要件
- 訪問介護における外国人材の受入れ手続き
- 訪問介護に外国人材を導入するメリット など
日本の介護現場で働くネパール人の就労状況

のちほど詳しく解説しますが、ネパール人が介護職として働ける在留資格(日本に滞在し活動が許可された資格)は「介護」「技能実習」「特定技能」の3種類です。※永住者や日本人配偶者等の一部在留資格を除く
その中で「特定技能」の在留資格を持つネパール人の就労状況データが確認できました。
以下は厚生労働省のデータをもとに作成した、特定技能で介護に従事する外国人の国籍別人数を示した表です。※国名をクリックすると関連記事にジャンプします
出典:厚生労働省|外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について
※令和6年12月末時点
特定技能で介護に従事するネパール人の数は国籍別で5番目に位置し、多くの方がすでに日本で介護職として働いています。

ネパール人が介護職として就労できる在留資格

ネパール人が日本の介護現場で働くためには、以下の3つの在留資格のうちどれかが必要です。
- 在留資格「介護」
- 技能実習
- 特定技能
在留資格ごとに就労期間や業務の内容が異なります。
一つひとつ解説していきます。

在留資格「介護」
在留資格「介護」は、介護福祉士国家試験の合格が前提の在留資格です。
国家試験を受験するには、技能実習や特定技能の在留資格で3年以上の現場経験を積むか、日本の養成機関や専門学校などで規定の教育課程を修了する必要があります。
在留資格「介護」は技能実習と特定技能とは異なり、在留期間の上限がありません。そのため、双方の合意があれば、長年にわたり雇用関係を維持できます。
技能実習
技能実習は外国人技能実習生が日本で介護を学び、母国で介護技術を発展させることを目的とした制度です。
対象者は入国時にN4程度の語学力がある18歳以上の方です。在留期間は最長5年で、契約終了後は基本的に帰国する必要があります。
なお、2025年に法改正があり、訪問系サービスへの従事が認められました。訪問介護業務への参入について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

特定技能
特定技能制度は、人材不足を解消するために2019年4月に創設された在留資格です。
介護技能評価試験と介護日本語評価試験、国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験のN4以上に合格すれば、介護分野で特定技能を取得して日本で働けます。
特定技能の在留期間は最長5年です。ただし、在留中に介護福祉士国家試験に合格すると、在留資格を特定技能から「介護」に変更できます。

「介護」に変更すれば、在留期間の更新に上限がないため、日本で長期的に就労可能です。
なお、技能実習と同じく特定技能でも2025年から訪問介護業務への参入が解禁されました。
「訪問介護の解禁についてさらに理解を深めたい!」という方に向けて、特定技能制度 訪問介護解禁 導入スタートガイドの資料を無料配布しております。1分でダウンロードできるので、下記のボタンをクリックのうえ、どうぞお受け取りください。


この資料でわかること
- 訪問介護解禁の背景・概要
- 外国人材・事業者における要件
- 訪問介護における外国人材の受入れ手続き
- 訪問介護に外国人材を導入するメリット など


ネパール人を介護職で雇用する3つのメリット


ネパール人を介護職で雇用するメリットは以下の3つです。
- 人材不足を解消できる
- 高齢者を大切にする
- 日本語を習得しやすい
順番に解説します。
人材不足を解消できる
ネパール人を介護職として雇用することで、日本の介護現場における人材不足の解消につながります。
厚生労働省のデータによると2026年には25万人、2040年には57万人ほど日本の介護職員の数が不足すると予想されます。
そこで、ネパール人は新たな人材供給源として期待されています。
介護人材が不足している企業では、ネパール人を介護職として受け入れることを検討してみてください。
参考:厚生労働省|第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
高齢者を大切にする
ネパールでは、仏教やヒンドゥー教を背景にした伝統文化が色濃く残っているため、高齢者を大切にする傾向にあります。



介護職として従事するには、高齢者に対して敬意を持って接する姿勢が必要です。
高齢者を大切にする姿勢は技術や知識と異なり、実習や研修で身に付けにくい部分です。もとから高齢者を大切にする文化があるネパール人は、人材不足が続く日本の介護現場で重要な担い手として期待できます。
日本語を習得しやすい
ネパール語と日本語は語順が比較的近く、どちらも主語・目的語・動詞(SOV)の語順であるため、ほかの言語に比べてスムーズに習得可能です。
また、音韻構造も近いためネパール人の日本語の発音は聞き取りやすい傾向にあります。
ネパールは多言語国家であり、多くのネパール人は新しい言語の習得に抵抗が少ないです。こういった背景も、日本語のスムーズな習得につながっています。


ネパール人を介護職で雇用する際の注意点


ネパール人を介護職で雇用する際の注意点は以下の3つです。
- 介護スキルの習得に時間がかかる場合がある
- 言語や価値観の違いでトラブルを招く可能性がある
- 宗教・文化への配慮が必要なケースもある
順に解説します。
介護スキルの習得に時間がかかる場合がある
ネパール人労働者は、日本の介護サービスへの適応に時間を要する可能性があります。
介護保険制度によるサービス提供の考え方は、ネパールでは浸透していないため、一から理解しなければなりません。



また、日本の介護現場には最新介護機器や福祉用具などがあり、使い方を新たに覚えなおす必要があります。
そのため、企業側はネパールで介護職の実績がある外国人労働者に対しても、焦らず丁寧に教えることを意識してください。
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- 外国人教育の基本原則
- 在留期間における教育ロードマップ
- 実践的な教育のコツ
- よくある失敗例と対策 など
言語や価値観の違いでトラブルを招く可能性がある
ネパール介護人材を雇用すれば、日本と異なる言語・価値観の違いでスタッフや利用者とトラブルが発生する可能性があります。
なお、外国人労働者を雇う場合、言語や価値観の違いはどこの国出身の方を雇用しても避けて通れません。
違いを受け止め、日本のルールやマナーを伝えていく必要があります。


宗教・文化への配慮が必要なケースもある
ネパール人の約81%がヒンドゥー教徒です。ヒンドゥー教では食事に制限があり、牛肉を食べることは禁止されています。
そのため、ネパール人と食事をする際はメニューに気を配ってください。
また、過去にカースト制度(生まれによって職業や社会的地位が決められていた身分制度)が存在し、その影響が残っている場合があります。トラブルを起こさないよう、カースト制度についての話題はなるべく避けてください。


ネパール人を介護職で雇用する流れ


ネパール人を介護職で雇用する流れを5Stepで解説します。
- 人材を募集する
- 面接を実施する
- 雇用契約を締結する
- 在留資格の取得・変更を行う
- 雇用後のサポートをする
事前に流れを把握し、スムーズに雇用を進めてください。
なお、今回紹介するのは、日本に滞在するネパール人を雇用する方法です。ネパール在住のネパール人を雇用する場合は「在留資格認定証明書」と「入国ビザ(査証)」の取得手続きが必要です。
1.人材を募集する
まずは日本で介護職として働きたい人材を集めます。
主な募集方法は以下の4つです。
- 自社のホームページで人材募集を告知する
- 専門学校や大学で求人をお願いする
- SNSで募集を呼びかける
- 人材紹介会社を利用する
とくにおすすめの方法が人材紹介会社の活用です。ネパール人の就労支援に特化した人材会社を利用すれば、ほかの方法より効率的に条件に合った人材を獲得できます。
2.面接を実施する
書類選考である程度、自社とマッチする人材を見つけたら、次は面接です。
面接では日本語能力の高さの確認はもちろんですが、人柄を見極めることも重要です。とくに介護職は高齢者と接する機会が多いため、温和で忍耐力の強い方が適しています。
また、在留カードを忘れずに確認してください。たとえば、記載されている在留期限を超えている外国人は、オーバーステイ(不法残留)に該当します。
オーバーステイの外国人労働者を雇用すれば、企業側は罪に問われる可能性があります。オーバーステイに関する詳しい内容を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。


3.雇用契約を締結する
自社の雇用条件と一致する人材が見つかれば、契約を締結します。
雇用契約書はネパール語または英語で作成してください。
日本語の記載しかない場合、外国人労働者が契約内容を理解できないまま締結し、問題が発生する可能性があります。
4.在留資格の取得・変更を行う
雇用契約が締結したら、在留資格の変更手続きに移ります。
具体的な変更パターンは以下のとおりです。
- 介護福祉士国家試験の合格後、在留資格「介護」に変更する
- 留学生から介護分野の在留資格に変更する
- 就労が認められている在留資格から介護分野の在留資格に変更する
在留資格の変更に不慣れな外国人労働者が多いため、企業側のサポートが欠かせません。
仮に企業側も在留資格の変更手続きに詳しくない場合は、申請取次行政書士への委託をおすすめします。
申請取次行政書士は外国人の公的手続きの専門家であるため、円滑に在留資格の変更手続きを進められます。


在留資格変更のタイミングや申請方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で確認してください。


5.雇用後のサポートをする
在留資格の許可が下りれば、雇用をスタートできます。
以下は、ネパール人が働きやすい環境を作るためのサポート内容の一例です。
- 社内研修を開催する
- 日本語学習の場を提供する
- 母国語で相談できるスタッフを配置する
企業側は雇用して終わりではなく、入社後も外国人労働者に対して継続的にサポートしてください。
なお、技能実習生や特定技能1号外国人は、住居の確保や生活面の支援が義務化されています。在留資格で求められるサポートを提供するのは企業側の責任です。
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この資料でわかること
- 外国人採用の意義
- 外国人雇用のメリット
- 外国人採用スタートの5ステップ
- よくある課題と解決策
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仏教やヒンドゥー教が浸透しているネパール人は、お年寄りを大切にする傾向にあり介護職との相性が良い人材も多いです。
また、日本語とネパール語は音韻構造や語順が近く、言語習得が容易なため、言語面での課題をクリアしやすいメリットがあります。
本記事を参考に、ネパール人を介護職として雇用するかどうか判断してみてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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