「外国人も日本企業のインターンシップに参加できるの?」
「外国人のインターンシップ生は、給料や在留資格の取り扱いはどうなる?」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
日本には外国人のインターンシップ制度があり、企業と外国人双方に貴重な機会を提供しています。
外国人をインターンシップで受け入れる場合、在留資格や報酬の有無などの把握が必要です。スムーズな受け入れを実現するためにも、外国人のインターンシップ制度の全体をしっかり押さえておきましょう。
本記事では外国人インターンシップの制度の概要や必要な在留資格、報酬の有無について解説します。企業側が外国人のインターンシップ生を受け入れるメリット・デメリット、採用の流れも紹介するので参考にしてみてください。
外国人のインターンシップ制度とは|4つタイプに分類される

インターンシップは大学生等を対象としたキャリア支援の制度です。外国人のインターンシップ制度もあり、多様性を高め職場の活性化を図るために外国人を受け入れる企業も増えてきました。
外国人のインターンシップ制度は、以下の4つに分類されます。
分類 | 内容 |
---|---|
オープンカンパニー | 自社や業界の情報提供・PR |
キャリア教育 | 教育活動を通し職業観の理解を深める |
汎用的能力・専門活性型 | 企業独自または大学が企業や地域と連携し専門性を重視する |
高度専門型 | 大学院の教育を通し専門人材を育成する ※大学院の修士・博士学生が対象 |
インターンシップは多様な学生との接点となり、優秀な学生の早期採用にもつながります。

外国人学生自身も専攻やキャリア目標に応じて選択できるので、企業・学生双方にメリットが大きいです。
外国人のインターンシップに関する基本ルール


外国人大学生がインターンシップ目的として来日する場合、在留資格が必要です。特定活動や文化活動、短期滞在の種類があり、それぞれルールが異なります。
ルールを守らなければ不法就労助長罪や強制退去処分などの罰則の対象となる可能性があります。
最低限把握しておきたいルールは、次の3つです。
- 在留資格
- 報酬の有無
- 雇用にまつわる保険や税金
企業側にも責任があるため、確認は必須です。順番に見ていきましょう。
在留資格
海外の学生がインターンシップで来日する場合、活動目的に合った在留資格を取得しなければなりません。
以下は、インターンシップや正社員雇用前に企業での就業体験ができる在留資格の一例です。
在留資格 | 在留資格の特徴 |
---|---|
特定活動9号 | 日本でインターンシップをおこなう外国人向けの在留資格 |
在留資格の目的や在留期間を把握したうえで、受け入れを検討していきましょう。
報酬の有無
報酬の可否は在留資格や従事時間により異なります。たとえば、留学や一部の特定活動資格では、週28時間以上の労働は許可が必要です。
報酬の有無や在留資格に関する取り決めを以下の表にまとめました。
現在の状況 | 報酬 | 時間・期間 | 必要な手続きや在留資格 |
---|---|---|---|
留学または一部の特定活動の在留資格 | あり | 28時間以内/週 | 資格外活動許可(包括許可) |
28時間超/週 | 資格外活動許可(個別許可) | ||
なし | – | 許可を受けることなく活動可能 | |
海外の大学に在学中 | あり | 1年を超えない | 特定活動(公示9号) |
なし | 90日以上 | 文化活動 | |
90日以内 | 短期滞在 |
外国人をインターンとして受け入れる際は、企業の責任として在留資格と活動条件が合致するかを確認しなければいけません。
雇用にまつわる保険や税金
留学または特定の在留資格で有償インターンシップとして働く場合、労働時間によっては社会保険加入が必要です。
加入条件は、以下のとおりです。
保険の種類 | 加入条件 |
---|---|
社会保険 | 正社員の3/4以上働く場合加入 例:正社員が8時間勤務の場合、6時間で加入 |
雇用保険 | 学生なので対象外 ※週20時間以上勤務する場合、対象になる可能性あり |
労災保険 | インターンシップの内容により異なる ※実際の業務を担当する場合は加入対象 |
社会保険や雇用保険の保険料は報酬から天引きされ、労災保険は企業が全額負担するため天引きされません。
税金に関しては、インターンシップ生が居住者の場合は源泉徴収税、非居住者の場合は源泉分離課税方式で、20.42%の税率で源泉徴収します。
学生の出身国によっては免税される可能性もあるので、租税条約が締結されているか確認しておきましょう。
参考:国税庁|租税条約締結国一覧表
外国人のインターンシップを実施するメリット・デメリット


インターンシップは人材確保や企業PRなど実施するメリットが多く、優秀な人材確保に役立ちます。しかし、デメリットも存在するため、両方の理解を深めておきましょう。
順番に解説します。
外国人のインターンシップを実施するメリット
日本で育つと、日本の文化が当たり前だと考えてしまいがちです。外国人の柔軟な視点や考え方に触れることで、これまで気づかなかった課題の発見や、斬新なアイデア創出につながります。結果的に、社員の視野が広がります。
外国人のインターンシップ生を受け入れるメリットは、以下のとおりです。
- 優秀な人材と早期接点が持てる
- 外国人の言語スキルを活かせる
- 人材の多様化で競争力が向上する
- 採用ミスマッチを防げる
- 意欲的な学生を選べる
インターンシップ生の存在は社内に新しい刺激をもたらし、風通しの良い職場環境づくりが期待できます。




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外国人のインターンシップを実施するデメリット
意思疎通の難しさ以外のデメリットは、以下の3つです。
- 日本人のビジネス文化や業務の進め方など教育が大変
- ビザや在留資格の確認など法的対応が必要
- 国籍や文化背景に応じた労働条件の調節が必要
外国人インターンを受け入れる場合、育った環境や文化が異なるため、円滑なコミュニケーションが難しいことがあります。



情報伝達や業務指導において、通常よりも工夫が求められます。
以下の記事では、外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットをさらに詳しく解説しています。理解を深めたい方は、参考にしてみてください。


外国人インターンシップ生を受け入れる際の流れ


インターンシップ制度を労働力確保の手段と誤解し、不十分な体制で受け入れる企業も存在するため、厳格な審査がおこなわれます。しかし、適切な準備をおこなえば、制度を有効活用できます。
外国人インターンシップを受け入れる流れは、以下の3ステップです。
- 受け入れる体制を整える
- 外国人インターンシップを募集する
- 面接・採用
受け入れる流れを把握しておけば、安心して採用できます。ここでは、受け入れ前から採用までの流れを解説していきます。
1.受け入れる体制を整える
外国人をインターンシップ生として受け入れる前に、社内で責任者や指導員の選任が必要です。また、海外学生を受け入れる場合、以下の条件を満たす必要があります。
- 学位が授与される海外の大学に在学している
- 入国時に18歳以上である
- 1年を超えない期間である
- 大学と会社間でインターンシップの協定がある
- 大学の選考とインターンシップの内容に関連性がある
(出典)法務省|外国の大学生が行うインターンシップに係るガイドライン
海外大学生の受け入れは大学在籍や大学との協定、期間など、法務省が定める厳格な要件があり、全て満たさなければいけません。



外国人インターン受け入れ時は、責任者選任など社内体制整備が重要です。
2.外国人インターンシップを募集する
外国人のインターンシップ生を効果的に募集するためには、どの方法や媒体を活用するのかを慎重に検討することが重要です。
一般的な外国人インターンシップ生の募集方法は、以下の5つです。
- 海外の大学と直接契約を結ぶ
- 国内の大学から留学生を受け入れる
- 海外インターンのエージェントを活用する
- 求人サイトで留学生を募集する
- SNSを活用し募集する
海外のインターンシップ生を受け入れるのか、国内にいる留学生を受け入れるのかで募集方法は変わります。最適な募集手段を選び、確実に情報を届けることが成功への第一歩です。
3.面接・採用
応募者の履歴書を基に書類選考をおこない、面接する人材を選定します。
面接の際は、必ず在留カードをチェックしてください。
在留カードに記載されている活動目的が就労に該当していなければ雇えないほか、在留期間の期限が過ぎていればオーバーステイで受け入れた企業も処罰の対象となるからです。
採用を決めたら、雇用契約を結び、出入国在留管理局にて在留資格の変更や更新の手続きをします。
在留資格の許可が下りたら、就労を開始できます。
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- 外国人採用の意義
- 外国人雇用のメリット
- 外国人採用スタートの5ステップ
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外国人のインターンシップ制度を理解して受け入れを検討しよう


外国人のインターンシップ制度は、早期に優秀な人材と出会えるチャンスでもあります。
文化や法律の違いを正しく理解すれば、トラブルを防ぎながら活用可能です。本記事を参考に、インターンシップ生の受け入れを前向きに検討してみてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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