「留学ビザと就労ビザの違いはなに?」
「どのように切り替えればいいの?」
このような疑問を抱えていませんか?
日本の学校に通う留学生が、日本の企業に就職する場合、留学ビザから就労ビザに切り替えなくてはなりません。ビザの切り替えには企業側が用意する書類もあるため、外国人を雇用するなら企業側もビザに関する知識を深めておく必要があります。
本記事では、留学ビザから就労ビザへの変更方法、切り替えるコツを解説します。企業側ができるビザ申請のサポート内容も紹介しているので、留学生を雇用しようと検討している方は最後までご覧ください。
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【基礎知識】留学ビザと就労ビザの違い
留学ビザと就労ビザは、日本での就学・就労が認められる在留資格を指します。
ビザと在留資格の違いを知りたい方は、ビザと在留資格の違いを解説した記事をご覧ください。
留学ビザと就労ビザの違いは、以下の表のとおりです。
項目 | 留学ビザ | 就労ビザ |
---|---|---|
目的 | 日本の大学や専門学校などの教育機関で学ぶため | 日本の企業で働くため |
種類 | 1種類のみ | 29種類 ・介護 ・教育 ・特定活動 ・技術・人文知識・国際業務 など |
どちらも日本での滞在が認められているビザですが、目的や種類、管轄が異なります。
【4ステップ】留学ビザから就労ビザへ変更するときの流れ
くりかえしですが、日本の学校を卒業した留学生が、日本の企業に就職する場合、留学ビザから就労ビザへの切り替えが必要です。ここでは、留学生が就労ビザを取得する際の流れを見ていきましょう。
- 就職活動をはじめる
- 内定をもらい雇用契約を結ぶ
- 出入国在留管理局へ必要書類を提出する
- 就労資格を取得したら就労を開始する
順番に解説します。
1.就職活動をはじめる
まず、留学生が日本で就職活動をはじめます。
就職活動をはじめる際には、希望する職種が就労ビザの要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。取得する就労ビザの種類ごとにおこなえる活動が定められているからです。
たとえば、技人国ビザの「技術」の在留資格を取得して就労できるのは、エンジニアやソフト開発といった技術職に限られます。大学の専攻と関連のある職種でなければ、就労ビザの申請が不許可になる可能性があります。
企業側は採用活動の時点で、外国人の経歴や専門性が就労ビザの取得要件を満たしているかをチェックしましょう。
2.内定をもらい雇用契約を結ぶ
就労ビザの申請時は雇用契約書や労働条件通知書の提出が求められるため、先に雇用契約を結びます。
3月に学校を卒業する場合、卒業前年の12月1日からビザの変更申請が可能です。変更申請の審査には1ヵ月〜3ヵ月ほど時間がかかる場合もあるため、入社に間に合うよう余裕をもって準備しましょう。
出典:就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について|出入国在留管理庁
3.出入国在留管理局へ必要書類を提出する
手続きの準備が整ったら、近くの出入国在留管理局へ必要書類を提出します。以下のように、留学生側と企業側とで準備するべき書類が異なります。
- 写真
- パスポート
- 在留カード
- 卒業見込み証明書
- 在留資格変更許可申請書(申請人等作成用) など
出典:在留資格「技術・人文知識・国際業務」の提出書類を参照|出入国在留管理庁
- 雇用契約書
- 直近年度の決算文書
- 前年分給与所得の法定調書合計表
- 在留資格変更許可申請書(所属機関作成用) など
出典:在留資格「技術・人文知識・国際業務」の提出書類を参照|出入国在留管理庁
出入国管理及び難民認定法法の規定にもとづいた審査のうえ、出入国在留管理局の職員が書類審査をおこないます。そのほかにも、個人ごとに追加で別の資料を求められることがあります。
4.就労資格を取得したら就労を開始する
審査がとおり、留学ビザから就労ビザへ切り替えが完了したら、正式に日本の企業で就労できます。
就労ビザに指定されている以外の業務や、禁止されている単純作業(清掃や仕分け作業など)をした場合は、就労ビザの資格が取り消される可能性もあります。就労後も規定をしっかり厳守しましょう。
各就労ビザには在留期間が定められています。更新手続きをせずに期限を超過すると「オーバーステイ(不法在留)」となり、強制出国を命じられる可能性もあります。就労資格を失わないように、更新日のスケジュール管理を徹底する意識が大切です。
留学ビザから就労ビザへの切り替えをスムーズに進める2つのコツ
留学ビザから就労ビザへの切り替えをスムーズに進めるコツは以下のとおりです。
- 外国人の書類作成をサポートする
- 申請取次行政書士に依頼する
手続きに時間がかかると、入社日に間に合わないリスクもあります。外国人を予定どおりに雇用できるよう、スムーズな切り替え方法を知っておきましょう。
1.外国人の書類作成をサポートする
就労ビザの申請書類を作成するのは、原則として外国人本人です。しかし、企業側は書類の書き方をアドバイスしたり、日本語を訳したりと補助に入る行為は可能です。
日本語や手続きや理解が十分でない外国人にとって、一緒に作成を手伝ってくれるパートナーがいれば作業効率が一気に上がるでしょう。
適切なサポートができるように、就労ビザ申請の流れや提出書類について企業側は理解を深める必要があります。
2.申請取次行政書士に依頼する
行政書士は、公的手続きの書類作成の支援をおこなう専門家です。なかでも外国人のビザや在留資格の申請の取次許可をもつ申請取次行政書士に依頼すれば、ビザ取得の手続きを完全サポートしてくれます。
- 必要書類の準備
- 申請書類作成
- 提出書類の申請取次
プロに依頼すれば、個人で取り組むよりもビザの取得率が格段に上がります。
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特定技能のビザの手続きに関する豊富な知識をもつスタッフが、留学ビザから特定技能ビザへの変更をサポートいたします。留学ビザからその他の就労ビザ(技人国等)に切替を考えている場合は、行政書士法人とも連携して対応しています。
無料相談も受け付けているので、留学ビザから就労ビザへの変更にお悩みであれば、お気軽にご相談ください。
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留学ビザと就労ビザに関するよくある質問
留学ビザと就労ビザに関するよくある質問をまとめました。
留学ビザで就労はできますか?
留学ビザでは、原則として就労は認められていません。
しかし、入国管理局から事前に「資格外活動の許可」を得ている留学生に限り、週28時間以内の労働時間であればアルバイトできます。
「資格外活動の許可」をもたない留学生を雇うと、企業側は「不法就労助長罪」に課される可能性があります。
留学生を雇用する際は、留学生の在留カードに記載されている「資格外活動許可の可否」の確認が必要です。
留学ビザから就労ビザに変更するのはなぜ?
外国人が日本に滞在するには、活動目的に応じたビザを取得する必要があります。
したがって、日本の学校を卒業し、日本の企業で働く際には、留学目的のビザから就労目的のビザに切り替えなくてはなりません。
入社までに就労ビザの取得が間に合わないときはどうなりますか?
就労ビザの取得が入社に間に合わない場合、入社日を調整する必要があります。ビザの許可が下りるまでは就労を開始できないためです。
とくに1月〜3月頃には、4月の新年度入社にあわせて申請窓口が混雑しやすいです。入社日までにビザ取得が間に合うように、早めに手続きを進めることをおすすめします。
留学ビザから就労ビザに変更手続きする際に卒業証明書は必要ですか?
留学ビザから就労ビザに変更する際「卒業証明書」は必須です。ただし、卒業前の場合は「卒業見込み証明書」を提出すれば審査してもらえます。
出典:「留学」から就労資格への変更手続の流れ|出入国在留管理庁
卒業した留学生の就職先が決まらなかったらどうする?
卒業した留学生の就職先が決まらなかった場合、就職活動を目的とした特定活動ビザの許可が得られれば就職活動を継続できます。ただし、学校の推薦状が必要であり誰でも許可が得られるわけではありません。
採用までに時間がかかり在学中に転職先が決まらなかった場合でも、就職内定者として特定活動ビザもあります。
出典:留学生の就労に係る主なフロー|出入国在留管理庁
留学ビザから就労ビザへの変更方法を理解して外国人雇用をスムーズに進めよう!
留学生が日本の企業に就職する場合、留学ビザから就労ビザに切り替えなくてはなりません。滞在目的にあったビザを取得する決まりがあるためです。
留学生を雇用する企業は、留学ビザから就労ビザへの変更方法を知っておくと、ビザ申請をおこなう外国人のサポートがしやすくなります。
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監修者プロフィール
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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