「ベトナム人を介護職で採用したいけれど、どんな在留資格が必要なんだろう?」
「言葉や文化の違いで、職場になじめるか心配…」
このような疑問や不安を抱えていませんか?
近年、介護現場の人手不足が深刻化するなかで、ベトナム人を介護職として受け入れる施設や事業所が増えています。
ベトナム人は勤勉で礼儀正しい性格の方が多く、真面目に仕事へ取り組む姿勢が高く評価されています。
また、儒教の影響で高齢者に対しても丁寧に接する意識が根付いているため、介護の現場でも利用者との信頼関係を築きやすい人材です。
本記事では、介護現場で働くベトナム人の就労状況や介護職に従事できる在留資格、採用するまでの流れを解説しています。ベトナム人を受け入れるメリットや注意点も解説しているので、雇用を検討している方は参考にしてみてください。
日本の介護現場で働くベトナム人の就労状況

日本の介護現場では外国人材の活躍が年々増加しており、その中でもベトナム人の存在感が際立っています。
厚生労働省の調査報告によると、日本で働くベトナム人の就労状況は以下のとおりです。
ベトナム人の就労状況 | 在留資格保有者 | 医療・福祉産業 |
---|---|---|
人数 | 570,708人 | 22,843人 |
国籍別順位 | 1位 | 1位 |
出典:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和6年10月末時点)
全在留資格保有者の数は約230万人です。ベトナム人は約230万人中約57万人を占め、国籍別で第1位となっています。
また、介護職が含まれる医療・福祉産業でも約11万6千人中約2万3千人を占め、在日外国人労働者の中でトップです。
この数字が示すように、ベトナム人は日本で働く外国人の中でもっとも多い割合を占めており、介護分野での実績も豊富であるとわかります。
ベトナム人が介護職に従事できる在留資格

ベトナム人が日本の介護現場で働くために必要な在留資格は以下の4つです。
- 在留資格「介護」
- 技能実習
- 特定技能1号
- 特定活動「EPA介護福祉士・候補者」
詳しく解説していきます。
在留資格「介護」
在留資格「介護」は2017年からはじまった在留資格で、介護福祉士の国家資格を取得した外国人が対象です。
国家試験の受験資格を獲得する方法は以下の2つです。
- 日本の養成機関や専門学校などで定められたカリキュラムを修了する
- 技能実習や特定技能の在留資格で3年以上の現場経験を積む
在留資格「介護」は在留期間の更新回数に上限がありません。そのため、外国人を長期的に雇用可能です。
また、ほか3つの在留資格では原則として家族帯同が認められていませんが、在留資格「介護」は家族帯同が認められています。日本で長く働きたい方に適している在留資格と言えます。

技能実習
技能実習は日本から諸外国およびベトナムへの国際貢献を目的とした在留資格です。対象者は18歳以上で、帰国後に母国で介護分野の活動を予定している方です。

技能実習は第1号(1年間)・第2号(2年間)・第3号(2年間)の3段階があります。在留期間は最長5年で、契約終了後は基本的に帰国しなければなりません。
入国時は日本語能力試験N4相当以上が必要で、第2号移行時にはN3相当以上が求められます。
2025年には法改正があり、一定の条件を満たせば訪問介護に従事することが認められました。
また、3年以上の実務を経験したベトナム人技能実習生には、介護福祉士国家試験の受験資格が与えられます。試験に合格できれば、在留資格を「介護」へ変更可能で、介護福祉士として日本で継続的に就労できます。
特定技能1号
特定技能は介護分野において人手不足を補うために2019年に施行された在留資格です。
特定技能の在留期間は最長5年ですが、在留中に介護福祉士国家試験に合格すれば、在留資格を「介護」に変更できます。変更後は在留期間に上限がないため、長期的に日本で就労可能です。
また、技能実習と同じく法改正により、一定の条件を満たす特定技能外国人の訪問系サービスへの従事が解禁されました。
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特定活動「EPA介護福祉士・候補者」
特定活動「EPA介護福祉士・候補者」は経済協定に基づいた在留資格であり、送り出し国がインドネシア、フィリピン、ベトナムに限定されています。
在留期間は最長4年です。ただし、在留期間中に介護福祉士国家試験に合格できれば、在留資格が上限なく更新可能で、日本で長期的に働けます。


ベトナム人を介護職として雇用するメリット


ベトナム人を介護職として雇用するメリットは以下の3つです。
- 勤勉で仕事に熱心に取り組む
- お年寄りを大切にする
- 若い人材を雇用しやすい
順番に解説していきます。
勤勉で仕事に熱心に取り組む
ベトナム人は儒教文化や教育の充実により、勤勉で仕事に熱心に取り組む方が多い傾向にあります。
介護職員は、利用者の生活の質を向上させるために介護について常に勉強し、一人ひとりと真剣に向き合える人でなくてはいけません。



国民性の視点から、ベトナム人は介護職に向いていると言えます。
お年寄りを大切にする
ベトナムには儒教文化が根付いているため、お年寄りを大切にする方も多いです。
高齢者と接する機会の多い介護職は、お年寄りに敬意を持って接する姿勢が欠かせません。
こうした敬意や思いやりの心は研修や指導で教えるのはなかなか難しい部分です。もともとその価値観が備わっているベトナム人を雇用すれば、自然な形で質の高い介護サービスを提供できます。
若い人材を雇用しやすい
来日して働くベトナム人は若い人材を確保しやすい傾向にあります。
以下は、ベトナム人の介護人材における年齢層を示した表です。
年齢 | 割合 |
---|---|
20~24歳 | 18.6% |
25~29歳 | 52.6% |
30~34歳 | 21.8% |
35~39歳 | 5.1% |
40歳以降 | 1.9% |
出典:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所|外国人介護福祉士の活動実態に関する調査研究事業報告書
20代が全体の7割を占めており、ベトナム人の介護人材は若年層を採用しやすいと言えます。
介護職は夜勤を伴うほか、入浴介助や移乗介助といった身体に負担のかかる作業が多いため、疲弊しやすいです。若くて体力のあるベトナム人を雇用すれば、安定した労働力を確保できます。
ベトナム人を介護職で雇用する際の注意点


ベトナム人を介護職で雇用する際の注意点は以下の3つです。
- 時間感覚が日本と異なる
- 責任感の強さからプライドが高い人もいる
- 家族を優先する
詳しく解説していきます。
時間感覚が日本と異なる
ベトナム人と日本人の時間感覚は異なります。
これは、生きてきた環境や過ごしてきた習慣が違うため当たり前のことです。
こうした文化的背景を理解したうえで、介護現場における時間管理の大切さを入社時研修等で丁寧に伝えることが大切です。
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責任感の強さからプライドが高い人もいる
責任感の強さからプライドが高いベトナム人もいます。
このような場合、性格面を配慮した関わりを心がけてください。
たとえば、指導や注意をする際は、全員の前ではなく、個別で対応する配慮が望ましいです。


家族を優先する
多くのベトナム人は仕事より家族を優先します。
そのため、家族に会うために、旧正月の帰国を希望する人も多いです。



働きやすい環境を整えるためにも、できる限りイベントや行事に対して配慮しましょう。
ベトナム人を介護職で雇用する流れ


ベトナム人を介護職で雇用する流れを4Stepで解説します。
- 募集・選考
- 雇用契約の締結
- 在留資格の取得・変更
- 就労開始
流れを確認し、スムーズに雇用を進めてください。
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- 外国人採用の意義
- 外国人雇用のメリット
- 外国人採用スタートの5ステップ
- よくある課題と解決策
1. 募集・選考
まずはベトナム人材を募集し、選考します。
募集方法は主に以下の5つです。
- SNSで募集情報を投稿する
- ハローワークに求人を登録する
- 求人サイトに募集広告を掲載する
- 人材紹介会社で希望に合った人材を紹介してもらう
- 大学や専門学校のキャリアセンターに求人を掲載してもらう
選考では日本語能力や介護に対する意欲、価値観などが重要な評価ポイントとなります。
2. 雇用契約の締結
採用が決定したら、雇用契約書の作成に移ります。
在留資格によっては雇用契約書は母国語であるベトナム語併記が必須です。
日本語の契約書しかない場合、外国人労働者が内容を十分に理解できないまま署名してしまい、後々トラブルになる可能性があります。


3. 在留資格の取得・変更
次に在留資格の手続きを行います。
在留資格の手続きは以下の3パターンです。
- 取得:新たに在留資格を得て就職する場合等
- 変更:ほかの職種から介護の業務に変更する場合等
外国人がスムーズに手続きを進められるよう、企業側は書類集めや書き方のサポートをしましょう。
専門家の力を借りたい方は、申請取次行政書士への委託をご検討ください。申請取次行政書士は、外国人雇用の公的手続きに精通した専門家で、確実な申請をサポートしてくれます。
4. 就労開始
在留資格が取得できれば、いよいよ就労開始です。
在留資格ごとに活動内容や就労時間に制限があるため、規則を守りながら外国人労働者を雇用することが重要です。
また、外国人労働者が早く職場になじめるようにサポートしてください。
ベトナム人を介護職で雇用するなら当協会にご相談ください


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儒教文化によってお年寄りを大切にする文化を持つベトナム人は介護職に最適です。
介護人材を探している企業の方は、本記事を参考にベトナム人材の受け入れ準備を進めてください。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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