「インドネシア人はどんな性格？」

「インドネシア人に接するうえで注意すべきことは？」

このような疑問をおもちの方もいるのではないでしょうか？

グローバル化が進む中、外国人採用に関心をもつ企業は増えています。その中でも人口が多く若い労働力が豊富なインドネシアは、日本企業にとって注目度が高い国です。

ただ「インドネシア人はどんな性格なのか」「日本人とは文化や価値観がどう違うのか」と不安を感じる方も多いかもしれません。

本記事では、インドネシア人の性格や国民性の特徴、やってはいけないタブー、そして円滑なコミュニケーションのコツなどを解説します。採用前の準備として、彼らの考え方や行動パターンを理解し、スムーズに受け入れを進めるヒントにしてみてください。

インドネシア人の性格や国民性の特徴｜男性・女性で違いはある？

インドネシアは多民族・多宗教国家として知られる国であり、その多様性はインドネシア人の性格や行動パターンなど、さまざまな点で大きく影響しています。

ここでは、インドネシア人に多く見られる性格や考え方を大きく、以下3つに分けて紹介します。

順番に見ていきましょう。

おおらかで明るい

インドネシアではジャワ人やスンダ人、バタック人など複数の民族が共存しており、異なる文化や宗教、価値観を受け入れる柔軟さが育まれてきました。

柔軟性が根付いたインドネシア人の性格は、男女を問わず穏やかで争いを好まず、他者を尊重する人が多いと言われています。

コミュニケーションの場でも人懐っこく社交的で、日本人とも打ち解けやすい傾向にあります。性別による傾向の違いも見られ、男性はやや控えめな一方、女性はコミュニケーションに積極的で行動的な人が多いようです。

参考：白鴎大学機関リポジトリ｜インドネシア人の人間関係

本当に思っていることを隠す場合が多い

インドネシアでは目上の人や周囲への敬意を示す文化が強く、直接「わからない」「できない」など、Noの意思を示さない風潮があります。

たとえば、実行が難しい指示でも笑顔で「わかりました」と返事をしますが、理解できていない場合でも「わかりました」と返事をしがちです。

そのため、納期ギリギリに「実はできていなかった」と判明する事態が起こる可能性があります。

本当の思いを言わないのはインドネシア人の「相手の気分を害したくない」と思う優しさの表れであり、悪意はありません。

しかし、本当に指示の意味を理解しているかや、現状の進捗はどうかなどを確認せずに放置すると、大きな問題につながるリスクがあります。

そのため、インドネシア人とのコミュニケーションは、なるべく多く会話をする機会を作り、本音を言いやすい関係を築くように意識しましょう。

時間に対する感覚がルーズになりやすい

インドネシアには「ゴムの時間」と訳される「ジャム・カレット」という時間感覚が定着しており、待ち合わせ時間や締め切りなどにルーズな人が多く見受けられます。

ジャム・カレットは「災害や交通渋滞、信号待ちなど、さまざまな理由で時間は延びるもので、待ち合わせや出社に遅れが生じても仕方ない」と受け止める考え方です。

もちろん、すべてのインドネシア人が時間にルーズなわけではありません。しかし、インドネシアで根付いているジャム・カレットの考え方は、ひとつの傾向としておさえておくべきです。

インドネシア人は日本人のように分刻みのスケジュール管理をする習慣が薄い傾向にあります。そのため、採用後に仕事を一緒に進める際には、スケジュールの再確認やリマインドメールを活用するなど、余裕を持った管理体制を整えるようにしましょう。

ほかにも、細かな文化の違いによるトラブルが起きるのは珍しくありません。

以下の記事では、日本人と外国人の間で価値観の違いにより起こり得るトラブルと、その解消法を紹介しているので、未然にトラブルが起きないように対策をしたい方は参考にしてください。

【タブー】インドネシア人にやってはいけないこと

インドネシア人と接する時は、以下のような文化や宗教面のタブーに注意した交流が重要です。

多くのインドネシア人は穏やかで寛容な性格ですが、知らずに日本の感覚で接してしまうと、深い誤解や敬遠を招きかねません。

何気ない振る舞いで相手を傷つけたり、信頼関係を損なったりしないためのポイントを、それぞれ紹介します。

握手や物の受け渡しで左手を使わない

インドネシアにはイスラム教徒が多く、日常の礼儀作法として「左手は不浄の手」とみなす風習があります。

握手や物の受け渡しの際に左手を使うと失礼だと感じる人も多いため、インドネシア人に手を差し出す際は右手を出すのが基本です。

うっかり左手を差し出してしまいがちですが、とくにインドネシア人と初対面の際は注意しましょう。右手がふさがっている場合は、少なくとも右手を添えるなどの配慮が必要です。

頭を触らない

インドネシアでは頭を「魂が宿る特別な部分」と捉える風潮があり、許可無しで頭に触れる行為は好まれません。

たとえば、仕事中に帽子のズレを直してあげたり、髪についたゴミを取ろうとしたりするなどの行為は仕事中に少なくありませんが、インドネシア人に同じようにおこなうと不快感を与える可能性があります。

とくに親しくない間柄の場合、ねぎらうときに頭を「頑張ったね」と軽くたたいたり、体調不良時に「熱はある？」と相手のおでこに手を当てたりする行為などは避けるべきです。

何気ないスキンシップのつもりでも、彼らにとっては敬意を欠く行為と受け取られかねません。

もし頭周辺を触る必要がある場合は、なるべく丁寧に声をかけて相手の許可を得てから触れるようにしましょう。

人前で叱ったり注意したりしない

インドネシア人は穏やかで争いを好まないため、人前で怒られることが苦手です。

そもそもインドネシアの職場には「大勢の前で叱られる」文化があまり存在しないため、公開の場で厳しく注意されると大きなストレスを感じたり、モチベーションが急低下したりする恐れがあります。

ミスの指導や改善策を伝えるときは、なるべく人目に触れない場所で1対1で話すのが理想的です。

指摘する際は大声や感情的な言葉をなるべく避け、冷静にどう改善すれば良いのかを具体的にアドバイスすると、インドネシア人のプライドを傷つけず、前向きな労働意識を保てます。

インドネシア人だけではなく、日本以外で生まれ育ち価値観を育んできた人とのコミュニケーションに苦戦するかもしれないと、不安な方も多いでしょう。

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インドネシア人と接する際のコミュニケーションのコツ

インドネシア人と接する際は、以下のような点を意識すると円滑にコミュニケーションを取りやすいです。

インドネシア人とは言葉や文化が異なるため、日本人同士の感覚でやりとりをするとギャップが起こりやすいです。

それぞれ順番に、インドネシア人と上手くコミュニケーションを取るコツを紹介します。

指示や報告はわかりやすく具体的に伝える

インドネシア人の中には「与えられた作業をこなす仕事」を好む人が多く、自発的に業務をおこなったり、大きく方向転換したりするのは苦手な人もいます。

曖昧な指示や「空気を読んで動く」といった日本独自の感覚をインドネシア人に求めると、どう対応すべきかわからず、作業が滞ってしまうかもしれません。

そのため「この作業はいつまでに、どの手順で、どんな仕上がりを目指すのか」と明確に提示するようにしましょう。

細かいステップが決まっているとインドネシア人は安心して動きやすくなり、生産性も高まります。

「できない」「わからない」を引き出すように聞く

インドネシア人の中には、上司や仲間に迷惑をかけたくない一心で、不明点や疑問、苦手な作業を黙って抱え込む人がいます。

とくにインドネシアでは「NO」と言わないのがマナーと考える人もおり、上司から叱責されるのを恐れて困りごとやミスを隠そうと考えがちです。

何かをお願いしたあとは、日本人側から「ここで困ってない？」「実際にやれそう？」と丁寧に質問すると、自分から「実はちょっと厳しいかも」「ここがわからない」などの本音が言いやすくなります。

参考：財務省｜見過ごされてきた大国インドネシアのこれまでとこれから

挨拶や雑談で細かくコミュニケーションをとる

インドネシアでは「笑顔が当たり前」という考え方が強く根付いており、逆に無表情や無言の状態は「機嫌が悪いのかも」と誤解される原因になりがちです。

日本の職場では無言のまま仕事をしがちですが、日本人が無言でデスクに向かってしまうと「何か怒っているのかな？」と不安を感じる可能性があります。

逆に、短い「調子どう？」「元気？」のような会話であっても、笑顔を交わしながらあいさつや軽い雑談を重ねると、インドネシア人は安心感を得やすいです。

日常的なやりとりは、相手が「相談しても大丈夫」と思える雰囲気づくりにもつながります。万が一トラブルが起きた際にも、気兼ねなく声をかけ合える関係を築けるように意識しましょう。

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インドネシア人に関するよくある質問

最後に、インドネシア人に関するよくある質問と回答をQ&A形式でまとめました。

インドネシア人の性格を把握して雇用を検討してみよう

インドネシア人は穏やかで明るい性格で多民族社会ならではの柔軟さをもつ一方、時間やコミュニケーション面で日本人とは異なる文化があります。

ノーと言わず笑顔でやり過ごす習慣や、礼儀として左手を使わない行動など、日本企業では考えにくい場面もあるでしょう。

本記事を参考にインドネシア人の性格や文化的背景を理解し、的確なフォローや配慮をすれば、彼らは自社の戦力として大きな力になってくれます。

とはいえ「自社でインドネシア人をうまく雇用できるか不安……」と悩む場合もあるでしょう。このようにお悩みの際は、ぜひお気軽に「日本料飲外国人雇用協会」までご相談ください。

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