外国人におけるホテル従業員の受け入れ状況は?在留資格や雇用するメリットを解説

外国人におけるホテル従業員の受け入れ状況は?在留資格や雇用するメリットを解説

「ホテルで外国人従業員を雇うには、どんな在留資格が必要なの?」
「外国人スタッフを採用すると、どんなメリットや注意点があるの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。でしょう。

近年、ホテル業界では外国人観光客の増加や人手不足の影響から、外国人従業員の採用が広がっています。

語学力や国際的な接客スキルを活かせば、顧客満足度の向上にもつながるため、外国人労働者を積極的に受け入れるホテルも少なくありません。

宿泊分野で就労可能な在留資格は複数あり、在留期間や業務内容に応じて選択できます。

本記事では、外国人ホテル従業員の採用に必要な在留資格の種類や、雇用のメリット、注意点を詳しく解説します。採用の流れやよくある質問も取り上げているので、参考にしてみてください。

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目次

日本で働く外国人のホテル従業員の割合

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以下の表は、厚生労働省の調査報告書の結果をもとに作成した、令和6年から過去5年間の宿泊業・飲食サービス業における外国人労働者数の推移です。

年度宿泊業・飲食サービス業の外国人労働者数
2024年27.3万人
2023年23.4万人
2022年20.9万人
2021年20.3万人
2020年20.3万人

参考:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届け出状況まとめ

外国人労働者数は年々上昇傾向にあることがわかります。外国人観光客の増加に伴い、人手不足の解消や多言語対応力の向上が求められているためです。

外国人をホテルの従業員として雇う場合の在留資格

外国人をホテルの従業員として雇う場合、日本で就労が可能な在留資格を取得しなければなりません。

ホテルに従事できる代表的な在留資格は以下の5つです。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 技能実習
  • 特定技能(宿泊)
  • 特定活動46号
  • 留学(資格外活動)

それぞれの特徴や取得要件を見ていきましょう。

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技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務は、「技術の分野」「人文知識の分野」「国際業務の分野」において、外国人が各分野の専門性の高い仕事に就くことを目的とした在留資格です。

以下に、各分野の特徴とホテル業務で従事可能な職種例をまとめました。

分野分野の特徴従事できる職種例
技術情報・工学など理系の専門知識が必要な分野・ホテル予約
・顧客管理システムの開発・保守・運用
・公式ウェブサイトや予約サイトの構築・管理
人文知識法律・経済など文系の専門知識が必要な分野・契約・法務の対応
・マーケティング戦略立案(広告、販促、SNS運用など)
国際業務語学力や多文化理解力など外国人ならではの経験が必要な分野・外国語でのフロント対応(宿泊手続き・案内・精算など)
・外国語によるコンシェルジュ業務(観光案内、交通案内、予約代行など)

いずれも専門的な知識や技能を要する業務に限定されており、単純労働は認められていません。

以下の記事では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得要件や雇用の手順を解説しています。理解を深めたい方は参考にしてみてください。

技能実習

技能実習は、日本の技術を外国人の母国に移転し、国際貢献を目的とした在留資格です。

日本のホテルで実際に働きながら、日本の作法やおもてなしの技術を学べます。

在留期間は最長5年です。期限の満了を迎えたら、得た技術を母国に持ち帰るため原則帰国します。

特定技能(宿泊)

特定技能は、人材の確保が難しい産業分野において人手不足に対応するための在留資格です。

対象となる産業分野は全部で16種類あり、その中に宿泊分野があります。

宿泊分野特定技能評価試験・国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上の合格者が対象なので、一定の専門性・日本語レベルを持つ外国人を雇用できます。

従事が認められている主な業務は以下のとおりです。

業務具体的な業務内容
フロント業務・チェックイン/アウトの対応
・周辺の観光地情報の案内
・ホテル発着ツアーの手配
企画・広報業務・キャンペーン
・特別プランの立案
・館内案内チラシの作成、HP、SNSなどによる情報発信
接客業務・旅館やホテル内での案内
・宿泊客からの問い合わせ対応
レストランサービス業務・注文への応対
・料理の配膳
・テーブルの片付け
・料理の下ごしらえ・盛り付け

参考:出入国在留管理庁|特定技能1号の各分野の仕事内容(宿泊)

幅広い業務に対応できるため、ホテル運営において重要な戦力となります。

また、令和5年6月9日の閣議決定により、特定技能2号に宿泊分野が追加され、熟練した技能を持つ外国人材の受入れも可能となりました。

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特定活動46号

特定活動46号は、日本の4年生大学の卒業者で、高い日本語能力を持つ外国人が、幅広い業務に従事するための在留資格です。

猪口 裕介

在留資格の取得対象者は、日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を取得した方です。

「技術・人文知識・国際業務」は、専門性が問われる在留資格のため、対応業務に制限があります。一方で、特定活動46号は単純作業を含む幅広い業務への従事が認められています。

例えば以下のような業務が可能です。

従事が認められる業務
  • フロント対応と清掃業務を兼任する
  • 売店で通訳を兼ねた販売業務を行う
  • 日本語と外国語で電話・メール対応をする

高い日本語能力を活かした多様な業務展開が可能になります。

留学(資格外活動)

在留資格「留学」では、アルバイトで働けます。

在留目的が学業である留学生は、就労が認められていません。そのため、アルバイトする際は、出入国在留管理局に「資格外活動許可」を申請する必要があります。

留学生のアルバイトは、週28時間以内の制限が設けられています。(※夏休みや年末年始の長期休暇を除く)

制限時間をオーバーすると、ほかの在留資格を取得する際に、不許可になる確率が高まるので労働時間を厳守しましょう。

外国人のホテル従業員を雇用するメリット

汎用

ここでは、外国人のホテル従業員を雇用するメリットを3つ紹介します。

  • 人材不足の解消につながる
  • 外国人観光客への対応力が向上する
  • 言語能力を活用したサービス提供が可能になる

自社に求めるニーズに合致するかどうか判断してみてください。

人材不足の解消につながる

帝国データバンクの調査によると、旅館・ホテルにおける正社員の人手不足割合は、60.2%です。つまり、半数以上の施設が人手不足で困っている現状です。

外国人観光客の増加により、宿泊施設数は年々増加しています。また、外国人観光客の対応ができる人材の需要が高まり、さらに人手不足に拍車をかけています。

外国人労働者は、単なる労働力の補填ではなく、現在の市場ニーズにマッチした人材です。そのため人手不足の解消に大きく貢献します。

外国人観光客への対応力が向上する

外国人のホテル従業員の雇用により、外国人観光客への対応力の向上も期待できます。

猪口 裕介

英語は世界の共通語として使われており、英語でコミュニケーションを取る外国人観光客は多いです。

英語力のある外国人労働者を雇用すれば、スムーズな接客ができます。

また、さまざまな国籍の人材を確保すると、母国語対応や国民性・宗教などに配慮した対応も可能です。

言語能力を活用したサービス提供が可能になる

外国人のホテル従業員は、言語能力を活用したサービス提供を実現できます。

たとえば、以下のようなサービスです。

提供できるサービス
  • 館内案内や環境情報の多言語翻訳
  • VIP顧客向けにウェルカムメッセージの作成
  • ホテル公式アプリやLINE公式アカウントの多言語チャット対応

このようなサービスにより、顧客満足度の向上と競合他社との差別化が図れます。

以下の記事では、外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットを解説しています。デメリットについても理解を深めたい方は、あわせてご覧ください。

外国人のホテル従業員を雇用する際の注意点

汎用

外国人のホテル従業員を雇用する際の注意点を3つ紹介します。

  • 日本のホスピタリティ文化の教育に時間がかかる
  • 言語や文化の違いからトラブルに発展する可能性がある
  • 在留資格の要件を把握しておく必要がある

事前に把握して、自社でできる対策を考えましょう。

日本のホスピタリティ文化の教育に時間がかかる

外国人のホテル従業員は、日本のホスピタリティ文化を覚えるのに時間がかかります。

育った環境が違うため、当然のことです。

ホスピタリティ文化の習得は、知識だけでなく行動の積み重ねにより感覚として身につける部分も多くあります。

猪口 裕介

習得のペースには個人差があるため、長期的な視点での研修計画が求められます。

言語や文化の違いからトラブルに発展する可能性がある

言語や文化の違いから利用者やスタッフとトラブルに発展する可能性もあります。

以下は起こりうるトラブル例です。

トラブル例
  • 意思疎通が不十分で間違った情報を利用者に伝える
  • 作法や敬語の使い方を誤り、日本人利用者が失礼と感じる
  • 時間感覚の違いから利用者やスタッフとのすれ違いが生じる

トラブルを回避するためには、適切な教育体制と継続的なサポートが欠かせません。

在留資格の要件を把握しておく必要がある

外国人のホテル従業員を雇用するなら、在留資格の要件を把握しておく必要があります。

採用可能な在留資格は複数存在し、種類によって取得要件や業務範囲が異なるためです。

各在留資格が規定する要件を満たさなければ、申請許可はおりません。

在留資格ごとの手続きに不安がある場合は、行政手続きの専門家である行政書士に業務を委託するのがおすすめです。なかでも申請取次の認定を受けている行政書士に依頼すれば、外国人雇用全般の行政手続きを代行してもらえます。

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外国人のホテル従業員に関するよくある質問

最後によくある質問と回答をまとめます。

ホテルの従業員にはどんな種類がありますか?

以下にホテル従業員の種類をまとめました。

部門職種例
宿泊部門・フロント(受け付けの対応)
・ベルアテンダント(フロントや客室への案内)
・コンシェルジュ(観光案内や各種手配サービスの提供)
・ハウスキーパー(客室の清掃・管理)
飲料部門・レセプショニスト(レストランの予約受け付けや会計)
・ウェイター/ウエイトレス(料理・ドリンクの提供)
・ルームサービス(客室にオーダー料理・ドリンクを配達)
営業・管理部門・広報(ホテルの宣伝)
・人事(採用活動や人材の配置決め)
・企画(イベントや宿泊プランの立案)
宴会部門・宴会予約(宴会の準備や運営)
・クローク(ゲストの手荷物やコートの預かり)
調理部門・シェフ(朝食・夕食の調理)
・ベーカー(自家製パンの調理)
・ペストリー(デザートの調理)

在留資格の種類に応じて、外国人労働者もさまざまな部門で活躍できます。

ホテルが人手不足になる原因はなんですか?

ホテルが人手不足になる原因の1つは、賃金の安さです。

厚生労働省が公表している産業別賃金を見てみると、宿泊業・飲食サービス業の平均月収は25.9万円でした。この結果は、全16産業のなかで最も低く、他業界と比べて待遇面で劣ることがわかります。

また、ホテル業界は、長時間労働や休暇の取りにくい環境が離職や人材確保の困難につながっています。

外国人のホテル従業員を雇用して労働力や顧客対応力を高めよう

日本に外国人観光客が増えている今、外国人のホテル従業員は顧客満足度の向上や人材不足の解消に欠かせない存在です。

本記事を参考に、在留資格の種類や雇用時の注意点の理解を深め、外国人従業員の受け入れを検討してみてください。

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監修者プロフィール

猪口裕介
猪口裕介一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会  理事 兼 事務局長
外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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