「オーバーステイについて詳しく知りたい」
「不法残留で罪に問われるって本当?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
オーバーステイとは、在留期間が過ぎた状態のまま国に滞在し続ける行為です。「不法残留」とも呼ばれ、法律違反に該当します。
オーバーステイの外国人労働者を雇用した日本企業も、法的責任を問われる可能性があります。安全に外国人を雇用するには、オーバーステイについて正しく理解していなければいけません。
本記事では、オーバーステイについて詳しく解説します。オーバーステイの外国人雇用を防ぐためのポイントも紹介しているので、記事を参考に安全な雇用体制を整えましょう。

この資料でわかること
- 外国人雇用時の関連法令の基本
- 在留資格の種類と特徴、手続きの一例
- 労働条件と雇用契約
- 外国人雇用のトラブル事例と対策 など
オーバーステイとは|外国人が在留期間を過ぎた状態のまま国に滞在し続ける行為

オーバーステイとは、外国人が法的に認められた在留期間を過ぎた状態で他国に滞在し続ける行為を指します。
オーバーステイは「不法残留」にあたり、出入国管理及び難民認定法で禁止されている行為です。
「更新手続きを忘れた」「手続きに手こずり期限が過ぎてしまった」など意図しないケースもありますが、理由を問わず在留期間を1日でも過ぎれば不法残留とみなされます。
出入国在留管理庁の統計によると、令和6年7月1日現在の不法残留者数は77,935人に上り、男性が47,848人(61.4%)、女性が30,087人(38.6%)となっています。
不法残留者の国籍・地域別、在留資格別の内訳は、以下の表のとおりです。
国籍・地域 | 人数 |
---|---|
ベトナム | 15,351人 |
タイ | 11,434人 |
韓国 | 10,769人 |
中国 | 6,500人 |
フィリピン | 4,934人 |
国籍・地域別ではベトナムが最も多く、東南アジア諸国からの不法残留者が多い傾向です。
在留資格 | 人数 |
---|---|
短期滞在 | 48,343人 |
技能実習 | 11,802人 |
特定活動 | 7,560人 |
留学 | 2,421人 |
日本人の配偶者等 | 1,884人 |
在留資格別では、短期滞在が全体の6割以上を占めており、観光目的での入国後にそのまま滞在するケースが考えられます。

在留期間満了日を厳守し、余裕をもって手続きをおこなう意識が必要です。
「オーバーステイにならないための防止策を知っておきたい!」という方に向けて、知っておくべき外国人雇用の法律と手続きの資料を無料配布しております。1分でダウンロードできるので、下記のボタンをクリックのうえ、どうぞお受け取りください。


この資料でわかること
- 外国人雇用時の関連法令の基本
- 在留資格の種類と特徴、手続きの一例
- 労働条件と雇用契約
- 外国人雇用のトラブル事例と対策 など
オーバーステイに関する罰則


オーバーステイは「不法残留」にあたり、出入国管理及び難民認定法違反として罰則の対象です。
- 【不法残留】原則的に退去強制処分になる
- 【不法就労】オーバーステイ外国人の雇用は処罰対象になる
外国人・企業ともに罰則のリスクを回避するためにも、理解を深めましょう。
【不法残留】原則的に退去強制処分になる
オーバーステイした外国人は、行政から強制的に日本の退去を命じられる退去強制処分を受ける可能性があります。退去強制処分を受けると、入国法の規定にもとづき、一定の期間、日本に上陸できません。
具体的な上陸拒否期間は、以下のとおりです。
- はじめての退去強制処分:5年間
- 2度目以降の退去強制処分:10年間
暴力行為や麻薬の密輸など重大な犯罪行為を犯した者は、最悪の場合、一生日本に上陸できない場合もあります。
参考:出入国在留管理庁|退去強制手続
【不法就労】オーバーステイ外国人の雇用は処罰対象になる
オーバーステイの外国人を雇用する企業も「不法就労助長罪」として処罰の対象です。
雇用主が不法就労を助長した場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
「知らなかった」では済まされず、雇用前の在留資格確認を怠った場合でも処罰される可能性があります。
企業は外国人雇用時に必ず在留カードの確認を実施し、在留期間や就労制限の有無をチェックしてください。
参考:警察庁|外国人の適正雇用について
オーバーステイ発覚後の対処法


オーバーステイ発覚後の対処法は、主に2パターンあります。
- 自ら出頭すれば「出国命令制度」を適用できる可能性がある
- 事情によっては「在留特別許可」がもらえる場合もある
発覚後の対応の仕方によって処置の程度が変わるので、知識を深めましょう。
自ら出頭すれば「出国命令制度」を適用できる可能性がある
「出国命令制度」も日本からの退去を命じられる措置ですが、退去強制処分よりも処置の程度が軽くなる制度です。
たとえば、退去処分の場合は入国管理局へ収容される可能性があります。一方で、出国命令を受けた場合は、収容なしで簡易的な手続きにより出国できます。



上陸拒否期間は、退去処分の場合は5年または10年に対して、出国命令制度の場合は原則1年です。
「出国命令制度」が適用されるのは、以下の要件を全て満たす不法残留者です。
- 警察署や出入国在留管理局へ自ら出頭
- オーバーステイ以外の退去強制の理由に該当しない
- ほかの犯罪で懲役または禁錮の刑を受けていない
- 過去に退去強制または出国命令を発令されていない
- すみやかに日本から出国すると見込まれる
出入国在留管理庁への出頭時には、オーバーステイに至った理由の申告が求められます。
申告内容に一貫性がないと審査に影響するため、出頭前に入管業務に精通した行政書士に相談して、準備するとよいでしょう。
処分の程度を軽くするためにも、オーバーステイに気付いたら早めの自己申告が賢明です。
参考:出入国在留管理庁|出国命令制度
事情によっては「在留特別許可」がもらえる場合もある
「在留特別許可」とは、退去を強制されるべき外国人に対して、特別に在留許可を与える措置のことを指します。
許可を出すかどうかは、個々の事情をもとに、法務大臣が総合的に判断します。以下は、判断材料となる項目の例です。
- 日本人と結婚している
- 特別永住者と結婚している
- オーバーステイ以外の犯罪歴がない
- 日本の病院で治療を受ける必要がある
なお、在留特別許可に関するガイドラインは令和6年6月10日に改正され、新しい基準で運用が開始されています。
在留特別許可の申請には、出入国在留管理庁が定める専用の申請書類を使用します。
その他、個々の状況や申請の目的によって必要書類や手続きが異なるため、まずは出入国在留管理局への問い合わせが必要です。



個人で対応するのは難しいため、専門的な知識をもつ申請取次行政書士に依頼すれば安心です。
外国人の在留特別許可申請にお困りの場合は、外国人労働者の申請手続きを専門とする「FES行政書士法人」にご相談ください。豊富な経験と専門知識で、適切な手続きをサポートいたします。
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オーバーステイの外国人雇用を防ぐための2つのポイント


オーバーステイの外国人を雇えば「不法就労助長罪」に該当し、事業主も処罰の対象になります。予期せぬ違反者にならぬよう、オーバーステイの外国人を雇用しないための方法を知っておきましょう。
- 在留カードの確認を徹底する
- 在留期間の満了日を厳守する
在留カードの確認を怠るといった「過失」があれば、処罰の対象となります。
1.在留カードの確認を徹底する
オーバーステイかどうかは、外国人労働者が保持している在留カードの在留期間の項目を見ればわかります。


在留カードは、採用の時点で確認可能です。選考する際は在留カードの提示を必ず求めて、在留期間の確認をしましょう。
2.在留期間の満了日を厳守する
外国人労働者を雇用する際は、在留期間の更新手続きを確実におこなわせる必要があります。



更新忘れを防ぐためにも、本人と事業主とで二重に管理する体制を作っておくと安心です。
企業側は在留期間の満了日を正しく記録し、更新時期が近づいたら本人にアナウンスしたり、書類の作成をサポートしたりする取り組みが大切です。
手続きに手こずり期限までに申請できなかった場合もオーバーステイになるので、余裕をもって準備してください。




オーバーステイにお困りの際は当協会にご相談ください


「外国人材を雇用したいけど、オーバーステイ時の対処ができるか不安…」
このように外国人材の在留資格申請やオーバーステイに不安がある方は「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください。
弊社は、外国人労働者の雇用サポートに特化した人材紹介会社です。有効な在留資格をもつ外国人と、企業のマッチングを支援しています。
また、登録支援機関として認定されているため、人材紹介だけでなく特定技能人材の支援も可能です。
在留特別許可申請を含む公的手続きについては「FES行政書士法人」と連携して、専門的かつスピーディーな手続きをサポートしています。
無料相談も受け付けているので、外国人材のオーバーステイに不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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オーバーステイに関するよくある質問


オーバーステイに関するよくある質問と回答をまとめました。
不法残留者はなぜ帰らないの?
不法残留者が日本に留まり母国に帰ろうとしない理由はさまざまありますが、一般的には以下のような理由が挙げられます。
- 日本に恋人・婚約者がいる
- 母国では仕事が見つからない
- 母国で戦争や激しいデモがおこなわれている
当然、当人達も法に触れるとわかっているケースが大半です。それでも日本に滞在し続ける外国人もいます。
オーバーステイで日本を出国したら再入国できる?
退去または出国命令を受けたとしても、上陸拒否の期間が過ぎれば日本に再入国できます。上陸拒否の期間は、以下のように個々の事情によって異なります。
- 出国命令制度が適用された場合:1年間
- 1回目の退去強制処分の場合:5年間
- 2度目以降の退去強制処分の場合:10年間
※事情によっては期間が延期される場合もある
オーバーステイを自ら申告した方やオーバーステイ1回目の方は、2度目の方より上陸拒否期間が短いです。
オーバーステイの外国人と結婚できるの?
オーバーステイの外国人との結婚はできます。



ただし、結婚はできても在留許可が必ずもらえるわけではありません。
結婚する場合は、まずは「在留特別許可」の申請をおこなう必要があります。これが認定されれば、オーバーステイの対象者から除外され、退去や出国せずに日本での滞在を続けられます。
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この資料でわかること
- 外国人雇用時の関連法令の基本
- 在留資格の種類と特徴、手続きの一例
- 労働条件と雇用契約
- 外国人雇用のトラブル事例と対策 など
オーバーステイの外国人を見つけた場合は通報義務がありますか?
オーバーステイの外国人を通報する法的義務は、基本的にありません。
しかし企業が不法就労者を発見した場合や、雇用しようとする外国人が不法滞在者であると判明した場合には、地方出入国在留管理局への通報や本人への出頭の促しが推奨されています。
不法滞在や不法就労の情報提供は、以下の方法で連絡・通報できます。
通報先 | 連絡方法 |
---|---|
出入国在留管理庁 | 電子メール報告 |
最寄りの地方出入国在留管理官署 | 直接連絡・相談 |
警察署 | 電話または直接相談 |
雇用前には、在留カードの期限や就労内容が適切かどうか、確認手続きを徹底しましょう。
オーバーステイを理解して外国人雇用の不安を解消しよう!


オーバーステイの外国人を雇用すれば、事業主は「不法就労助長罪」で3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます。
外国人雇用時には在留カードの確認を徹底し、在留期間や就労制限の有無を必ず確認してください。また、雇用後も在留期間の管理が不可欠です。
とはいえ「外国人労働者の在留期間の管理に自信がない…」と不安をもつ方もいるでしょう。
このように悩んだら「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください。
弊社は外国人向けの人材紹介会社です。適切な在留資格をもつ人材のみを紹介するほか、就労後の支援も実施しているためオーバーステイの外国人を雇用するリスクを回避できます。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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