
このたび、株式会社東急イーライフデザイン様よりご依頼いただき、
フィリピンからの特定技能人材10名を対象とした初期研修を実施しました。
入社時の不安や文化的ギャップを解消し、安心して就業をスタートできるよう設計した研修の様子とともに、
受け入れ企業のご担当者インタビューも交えながら、外国人材が“活躍”するための第一歩をご紹介します!
【Customer Profile】 株式会社東急イーライフデザインシニア向け住宅「グランクレールシリーズ」の開発・運営を中心に、カルチャースクール「ホームクレール」、筋力アップスタジオ「ラクティブ」、自宅での介護サービス「ホームケア」など、シニアの皆様の暮らしを多方面から支えるサービスを展開。 |

今回の入社時研修を受けた、10名の特定技能外国人
【研修実施の背景】
介護業界が直面する「2025年問題」。
深刻な人手不足が叫ばれる中、東急イーライフデザイン様では、社会課題への対応の一環として、今回初めて特定技能人材の受け入れをスタートされました。
同社では、2030年度までに介護職員の外国人材比率を全体の約1割まで引き上げるという目標を掲げ、その実現に向けて「言語や文化の違いを克服するための研修プログラムの充実」を重視。
当協会にご依頼いただき、フィリピン国籍の外国人社員10名の、入社時の初期研修を実施させていただくこととなりました。
【研修内容】
今回の研修は、オーダーメイドの8日間プログラム。
東急イーライフデザイン様の事業内容や研修へのご要望を丁寧にヒアリングし、来日直後から「安心して働きはじめられる」ことをゴールに設計しました。
実施にあたっては、当協会のオリジナル教材を使用。
生活面・就業面・文化面の不安を取り除くため、以下の内容を中心に研修を構成しました!
<カリキュラム構成> 1.導入 |


登壇講師は1万人以上を指導してきた外国人教育のプロ!


講師を務めたのは、これまでに1万名以上のグローバル人材を指導してきた当協会の石原。
やさしい日本語や英語を織り交ぜながら、受講者一人ひとりの反応を見て、理解度に合わせた講義を行いました。
<講師紹介> 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 支援本部 本部長 |
受講した10名の皆さんは、真剣な表情でメモを取ったり、慣れない日本語にも単語帳を作って予習復習するなど、8日間、一生懸命に向き合ってくださいました!
講義の合間には笑顔や頷きも多く見られ、異国の地での新たな一歩に対する不安と期待が入り混じった空気感が、会場全体を包んでいました。
企業担当者様インタビュー
今回、初めての特定技能人材を採用した東急イーライフデザイン様。
外国人材の受け入れを主導された津村さまに、
導入の背景や入社時研修を通しての気づき、今後の期待について伺いました!
Q. 初めての外国人採用。なぜ特定技能制度を選ばれたのでしょうか?
介護人材の不足が深刻な中、新たな選択肢として特定技能制度を検討していました。国が推進する制度である点も後押しとなり、導入を決めました。
とはいえ、初めての外国人採用ということで、戸惑いや不安も正直ありました。言語や文化の壁をどう乗り越えるか…。受け入れ体制や研修内容についても、社内だけで対応するには難しさを感じていました。
特に研修については、外国人社員向けの実績がなかったため、「何を、どこまで伝えるべきか」が手探りの状態。そこで、外部の専門家にお願いすることにしました。料飲協会さんは、グループ会社の東急リゾーツ&ステイ株式会社での研修実績もあり、安心してお願いすることができました。
Q. 今回の研修で、特に重視した点はどんなことでしょうか?
大きく分けて、3つのポイントを研修内容として重視しました。
まずは、コンプライアンスの徹底です。
一見基本的なことではありますが、日本とは感覚が異なる部分も多いため、しっかりと伝えていただきたいと考えていました。
次に、文化ギャップによるトラブルの予防です。
職場では日本人スタッフと働き、日本人のご入居者と接する場面が多くなります。だからこそ、文化の違いがコミュニケーションの壁にならないように、日本人が不快に感じやすい行動やマナーについては、しっかり理解してもらいたいと考えました。
そして3つ目は、安心・安全な生活支援です。
防災や交通ルール、公共機関の使い方など、日本で生活していくうえで欠かせない知識を、研修を通して伝えてほしいとお願いしました。

Q. 実際の講義をご覧いただき、どのように感じられましたか?
外国人教育のプロにお願いしたことで、「伝える」と「伝わる」は全く違うんだなと、改めて実感しました。
たとえばコンプライアンスの講義では、「職場やご入居者が写っている写真を無断でSNSに投稿しない」「社内情報や個人情報を外に出さない」といった内容を、ただ説明するだけでなく、受講者がきちんと理解できるように伝えてくださいました。英語を交えたり、確認テストを取り入れたりしながら、一方的ではない伝え方をされていたのが印象的で、それがとても安心感につながりました。
「災害対策」のパートも、さすがだなと感じました。ハザードマップの見方や避難所の確認など、私たちではなかなか思いつかないような細かな点まで丁寧にカバーしていただき、本人たちにとっても安心して日本での生活をスタートするための知識がしっかり身についたと思います。
Q. 外部研修に価値を感じたポイントを教えてください。
私は人財開発室に所属しており、普段から社員研修に携わっていますが、日本人と外国人の教育には大きな違いを感じました。日本人向けに使っていた言葉が、外国人には微妙に違うニュアンスで伝わってしまうことがあると、石原講師の説明を聞いて気づかされるシーンもありました。
今回はプロにお願いしたことで、理解度の確認を含めて非常に丁寧に進めていただけました。もし今回の研修のカリキュラムをそのまま社内で実施できるかと言われると、難しいと感じます。
外国人研修の専門家だからこそ、「何をどのように伝えると、相手に正しく伝わるのか」を熟知されていて、文化や言語の背景をふまえた上で、行動面で求められる基準や理由を的確に伝えてくれました。ただ情報を並べるのではなく、行動変容につながる伝え方をしてくれたことで、受講者の理解度も高く、研修の成果を実感できました。この安心感は非常に大きかったです。
Q. 今後の期待について教えてください。
彼女たちはこれから、4つの介護住宅に分かれて配属されていきます。日本語力や実務スキルはこれから積み重ねていく段階ですが、「わからないことは素直に聞く」「あいさつをする」といった基本姿勢を、今回の研修を通してしっかりと身につけてくれたのは非常に大きな成果だと感じています。
また、来日に至るまでの背景や、日本で働くことへの思いを語るスピーチを聞いて、私自身も「もっと頑張らないと」と背筋が伸びる思いでした。彼女たちの前向きな姿勢は、日本人の先輩社員たちにとっても良い刺激になるはずです。お互いに学び合い、成長し合える関係になってくれることを期待しています。
津村さま、貴重なお話をありがとうございました!
今回の研修を受けた10名の特定技能人材は、これから各介護住宅での実務に進みます。
彼女たちが新たな環境で活躍できるよう、心から応援しております!
成長した彼女たちに再会できる日を楽しみにしています♩
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日本料飲外国人雇用協会では、
外国人材は短期的な入れ替え人員ではなく、
日本人と同じように “育成する” ことが
企業の人材戦略として必要不可欠だと考えております。
「どのタイミングで、何を学ばせるべきか?」
当協会では、外国人材の新入社員から管理職まで、一貫した教育を支援。
これにより、長期的な活躍を促進し、企業の人材戦略を強化します。
「外国人材の教育やスキルアップに課題を感じている」
「長期的に活躍できる人材育成をしたい」
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